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子育てと正社員の両立にぎりぎりな40代の母(映画・読書・日々のこと)

子育てしながら正社員として仕事しています。40代の母のブログです。コピーライター、読書、映画、プライムビデオ。育児の悩みや仕事の悩み、広告、マーケティング、家族のこと、ふと思うことを綴ります。

THIS IS US_傑作過ぎて、泣き過ぎた

 

 

2016-2022 

THIS IS US シーズン1〜6

 

長かった…やっと見終わったです。

めちゃくちゃ傑作で、びびりました(*≧∀≦*)

楽しいスカッとするアメリカドラマを観たかったから、

高評価作品という評判を聞いていても、

最初は全く期待してなかったんです。

 

それがもう。

3話に1回は涙が止まらない現象が起きてしまい、

人生観まで変わった気がします。

変わったというか、とにかく見終わったあと、なんだか穏やかな、優しい気持ちになるんです。

 

家族や周りの存在に感謝したくなるような、たとえ会社のイケズなじじいなどにも、微笑みを向けたくなるような。(ちょっとウソ)

 

今毎日やってる室内散歩のエンドルフィンやセロトニン効果もあるのかも知れませんね。

多幸感出るやつ。

ちなみにエンドルフィンとセロトニンは幸せホルモンと言われる物質で脳のなんかをつかさどっているらしいですが、どう違うのかいまいち分かりませんが、エンドルフィンは有酸素運動セロトニンな継続的なリズム運動で出るらしいです。

まさに竹脇まりなちゃんの室内散歩の効果かな、と。

 

という事で全シーズン見終わったらば、見事にロスになりました。

「THIS IS US」ロス。

ぽっかり空いた心の穴を埋めるために、ほかのドラマに手を出そうともしたけど、結局シーズン1からもう一度見始めることにしました。

 

どんだけすっきゃねん(о´∀`о)

 

自分にウフフとツッコミを入れつつ、「THIS IS US 」の見どころを分析してみたいと思います。(ねたばれあり)

 

 

①共感度高いキャラたち。そして「お父さん」「夫」の理想形がつまってる

好きキャラランキング

3 ケイト

2 ベス&トビー

1 ランドル

 

軽くドラマ設定を説明すると、主役はケビン、ケイト、ランドルの3つ子。

レベッカが出産時に一人を失くし、その時に近くの消防署に捨てられていたランドル(赤子)を養子にします。

レベッカ&ジャック夫妻は白人なんですが、ランドルは黒人。

養子であることがどう考えてもすぐ分かるので、物心ついたころには、ランドルはいろいろ悩むんですね。まじめで一直線タイプなので、融通が利かないけど、その分キャラとしては一番面白いです。一方長男であるケビンは、人気ドラマ番組の主役でイケメン。だけどちょっと尻軽で、「本物の役者」ではない自分に自信がないんです。そしてケイトは過食症により超ぽっちゃり体形。ケイトもまた自己肯定感低めっていう。

3つ子ってやっぱり育てるのも大変だし、個性が出てきて、それがまあ養子だったり、時代だったり、環境だったりでそういった関係性を複雑にしていきます。

 

そしてお父さんのジャックとお母さんのレベッカレベッカ役のマンディムーアのナチュラルな演技もなんですが、ジャックが素晴らしいです。

「お父さん」「夫」の最高傑作。

こんなお父さん(夫)が理想。理想が服着て歩いてるのがジャック。

妻と子ども、家族が大好きで、たとえどんなに忙しくても子育てを中心に生きている。それを何より自分の幸せだと思っているんですね。

 

それがもう切ないくらいに画面にあふれていて、そして妻にも一人ひとりの子どもにも細やかに接し、優しさ100%。一人ひとりを受け止めていく夫婦の姿も、泣けてきます。

で、たまに入るちょっとしたユーモラスさがまたいいんです。

たとえば、ジャックのヒゲについて「ポルノに出てくるイタリア人男優みたい」とか、ひとり爆笑してます。

 

だけど子どもたちはそんな親や自分の子ども時代の豊かさを理解しているわけでなく、まさに36歳すぎてから、自分たちも大人になっていろいろ経験したり、考えたりしていくんです。

 

とにかくこの物語の中心である「ピアソン家」のですね、ランダルという異人種の養子がいることで特別な経験をする要素もあるけれども、家族としては「いわゆるアメリカの普通の一家」で、その「普通に生きる家族」のなかに、ものすごく自分自身に投影して考えさせられる「人間の姿」を沢山みせてくれるのが「THIS IS US」です。

 

②日本人が共感できるストレートトーク

このドラマでは、みんな率直すぎて、愛情表現も気持ちいいんですが、一方でちょっとしたいさかい、ケンカもしょっちゅうあります。

 

印象的なのはやっぱりランドルとケビンのケンカ。

そこには人種問題とか兄弟の競争心だとかいろいろあるんだけど正直、これだけ率直にケンカできる関係って、逆にうらやましいです。

 

「一事が万事、率直だな」というのが私がアメリカ映画が好きな理由のひとつなんですが、こういう風に自分も生きれたらというひとつのプロトタイプです。

 

そして、何より、仲直りが上手い。

いや「仲直りの描き方」が「おお~」とうまかったりするんです。

 

このドラマは、率直なセルフ展開をもって、割と細かい人間の心理をずっと追いかけるんですね。たとえば、ジャック死後、レベッカはジャックの親友のミゲルと再婚するんですが、3つ子のミゲルへの排他的思考とかずっと続くし、ランダルと妻のベスとの「妻と夫どちらの夢を基盤にするか」的永遠の課題とか、ほか多数。

どちらかというと人間の繊細な感性やネガティブな心理の背景であったりを中心に一つひとつをしつこい程に描こうとしていて。

自己肯定感の強い超人的なキャラがドカンバカンやらかしたり、「どうやってお金かせいでんだろ」「いつ仕事してんだろ」がナゾな上流階級のロマンスだったりが多いアメリカドラマのなかで(それもまあまあ偏見)、「THIS IS US」は、ストレートトークでありながら、とても静かにていねいに一つずつ、日常やリアルな心情を肉迫していくので、このドラマがスポットをあてる「人々の日常」「そこにいるひとりの人の心」には国を超えて共感を呼びやすい気がします。

 

③構成が緻密

「THIS IS US」は足掛け6年続いていた人気ドラマです。そうすると、3つ子の子ども時代をはじめとする子役たちがだんだん成長してしまっていくわけですね。

ストーリー上、現在と過去が並行してゆっくり進んでいくこのドラマにおいて、それはドラマ上でのリアリティを奪っていくことになります。

ということで、どっかで読んだのですが、最初に最終話の子役の撮影をすましていたらしいです。

 

dramanavi.net

 

ということは、「人気だからシーズンの延長でなんかつじつまおかしいけど」て感じのことを避けているんですよね。

つまり、あらかた「結末ありき」で最初から撮影してきているんです。

この記事読む限りはシーズン1~3までとシーズン4~6で「続きの展開」が分かれているようですが、シーズン6で完結というのは途中で明確になっていて、そこに向けてシーズンごとのストーリーを構成しているということです。

 

いや、すごい作業じゃない?

 

そう、細かいことはよく分からないけど、人間の心理や人間模様を描いていくにあたって、作り手の「私たちが描きたい世界」へのコンセンサスの高さと一つひとつのシーンをめっちゃ大事にする職人芸みたいなものを感じるんですね。

こういう日本人が得意そうなことがアメリカでもできるんだと(いや結局偏見だな)。

 

もちろんです。観ていただいたら分かりますが、シーズン1でああ言っていたけどシーズン6では「あれ?別の展開になってる」という部分もたま~にあります。

ファンだったら気づいてるだろうあそこ!みたいな。

 

だけど朝ドラなんか、半年の放映でそういうのが山盛りなわけで、6年にわたる放送であったならもうそれは当然だと思うんです。

 

しいて言えば私はシーズン6が結構ツライ展開なので、全シーズンのなかではあまり好きじゃありません。でも裏を返せば、「ピアソン家」の4世代くらいにわたる長い歴史の中でその集大成みたいなシーズンであって、よもや大河ドラマ的になりもするだろうなと。そうでないと、これだけ綿密な人物描写をどうにも収集できないんだろうなと。

たとえるなら学園ドラマが宇宙戦争SFになるくらいの感じというか。

 

私はいつも市井に生きる人を描いた優れた長寿ドラマとして、「北の国から」と比較をしてしまうのですが、「北の国から」だって、終盤に向けてやっぱりちょっぴり壮大さを含んでいく気がします。

もうだって、役者たちの成長と一緒にドラマが進むから、実際の人生はそこで終わるわけでないけどドラマは終わるってなると、そこで急にリアリティを失っていくわけで、

じゃあしょうがない。終わりますので、振り返ってこのドラマがなんだったのかはフィナーレにて総括しときますね、というのは仕方ない部分ではありますよね。

 

視聴者としてはロスにもなっちゃうわけで。ラストにふさわしい納得いくものを持ってきてほしいという想いもあるし。

 

それを4年前には想定していた、というのに感動した次第です。

 

ということで、とにかく面白くて、めちゃくちゃいいドラマなので、おすすめ。