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子育てと正社員の両立にぎりぎりな40代の母(映画・読書・日々のこと)

子育てしながら正社員として仕事しています。40代の母のブログです。コピーライター、読書、映画、プライムビデオ。育児の悩みや仕事の悩み、広告、マーケティング、家族のこと、ふと思うことを綴ります。

自由とは何かを問いかけ続ける社会派名作

高校生のときです。確か。

 

カッコウの巣の上で」は1975年の作品で、すでに古い映画だったんですが、何気なくTSUTAYAで借りて観て、とにかく観た時の衝撃がすごくて、前にも書きましたが、未だにマイナンバーワンの座を奪う作品はないくらいに好きなわけで。

 

むしろ、10代の時に出会うものってそれほど影響力があるというか、忘れないものなんだなぁと。

 

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舞台は精神病院。チンピラ?というかフーテンというか、そんなマクマーフィーを演じるのが私がイチオシのマイナンバー1アクターであるジャックニコルソンです。

マクマーフィーは、軽い罪(なんだったかは忘れたけどしょうもないケンカだかなんだか)で有罪になったんですが、刑務所に行きたくないから、精神障害があるフリをして、精神病院に入れられるんですね。

 

でもその精神病院が、まあ古いタイプというか1975年当時はあるあるだったのかもしれないですが、今なら人道的にも人権的にもアウトな個人の自由が100%剥奪されている管理された病院なんですね。

 

で、マクマーフィーって人は、フーテンのあんちゃんなもんだから、空気読まずに自分のノリで、気ままに好き勝手に振る舞うわけです。

 

だけれども、周りの患者たちは看護師長が怖いし自分は病気で治療中だし、薬漬けだし、まあなんやかやすごく従順なんで、マクマーフィーは思いっきり浮きまくっちゃうわ、看護師長には目をつけられるわで。

 

ここの描き方、今観たらまた違う感想もあるかもなんですが、高校生の私は、完全にマクマーフィーサイドで観てました。

 

もうとにかく患者には人間的にモノ考えたり、意思を持つ自由がないんですね。

すべて、優しい師長の言う通りにしなきゃならない。そう師長は人当たりは優しいんですよ。

でも患者を意思ある人間とは見ていない。

規則に則った生活をただ守らせる。

 

そこに、マクマーフィーという異物がぶっ込まれ、さてどーなる?

 

というのが最大の見どころなんです。

マクマーフィーはまあ空気読まないし、そもそも外の世界でもはみ出して生きてきているし、理由が分からない指示を黙って聞く人間ではないので、たくさん騒動が起こります。

ある時は患者たちを連れ出し釣りに。

ある時は女の子たちを病院に連れ込みどんちゃん騒ぎ。

 

そのね、騒動のなかで巻き込まれた患者たちが変わっていくんですね。人間的な要求や意思を持ち始めるんです。

 

この

 

奴隷から解放されて人間を宣言する

 

みたいな流れはほんとにまるで自分も人形から蘇って血が通い出したようにハッと目が覚めるし、多分今みても古さはなく、感動できるんじゃないかと思います。

 

でもやはりというか、そんな!というか、マクマーフィーは最後。。

ほんとに、18歳の私は悲しくて泣いたし、結局社会はそーなのかと、悔しくて悔しくて、当時付けていた映画日誌(笑)にもその悲しさと悔しさを書きなぐっていたんですが、でも今は、あのラストだからこそ、この映画が忘れられない映画になったんだよなぁと思います。

 

(あ、でも絶妙に希望がある終わり方です。チーフ好き♡)

 

精神病院はいわゆるメタファーです。

 

私たちの社会は、こんながんじがらめの精神病院とは違って個人を尊重する成熟した社会のはずです。

 

でも本当にそうなんでしょうか。

本当に私は自分の意思を持って生きているのか。

 

みんなそうなのか。

 

自由って何

 

生きるってどういうこと

 

みたいなの18歳のわたしには強く響いたんだと思います。

 

今30年近く経って、あーあの頃は若かったしなぁ〜思春期だったしなぁー

と遠い目をして懐かしむかというと

全くそうではなく。

 

今も私は同じ問いを繰り返し、答えを求めて生きているんですよ。

30年経ってなお。

 

思春期をこじらせてしまっただけかもしれないし、ある意味平穏な人生だったからこそ理想を追えるのかもしれないです。

 

ただ言えることは、今の社会を生きにくいと感じている人は減ってもないし、逆に高度経済成長や経済大国だった時代が終焉して格差や貧困は広がりつつあって、オモテの明るさのウラに闇が隠されがちなのは変わらないし、受験戦争も競争社会も人種差別も戦争も抑圧も別になくなってなんかないってことです。

 

でも。ほんの少しずつは変わってきたこともあって、たとえばこないだのオリンピックの森さん発言が社会的にはアウトになったし、他にも女性が声を上げて変わっていく事実もあったわけで。

 

渋谷区は同性婚にさまざまな権利を認め、一つの会社に終身雇用されるのが普通ではなくなって、インフォームドコンセントも当たり前になったし、サステナブル二酸化炭素減らすライフスタイルがどんどん出てきて、生き方や価値観は確実に多様さを増してきているのも感じます。

 

ほんの10年前だったら意識高い系なサステナや多様性が、今はもうスタンダードになったというか。

 

まあでも実際の自分の周りはまだまだ古臭いものに溢れているんですが。。

 

でも意識は変わってきていて、それが現実の暮らしや社会にもっと浸透すればいいなぁ。

 

そして、マクマーフィーや精神病院の患者たちが人としての意思を持って、いきいきと暮らせる世の中になればな、と。

 

カッコウの巣の上で」は今も私に、まだかい?と訴えかけてきます。

 

 

 

 

✳︎前にも書いたのですが「カッコウの巣の上で」がアカデミー5部門受賞しているのは後に知ったんですが、今改めて「カッコウの巣の上で」を観たらもしかしたら、いやその描写コンプラ!みたいな部分もあるかもしれません。

 

 

tsubatarou.hatenablog.com

 

それを楽しむためにもやはりもう一度観たい!

でもVHSは持ってるけどビデオデッキがないのです…

Amazonがプライム配信しないならもうBlu-ray買うしかないのか……Blu-rayって普及してるんかな…

 

とにかくジャックニコルソン…フォーエバー!

 

ジャックニコルソンさん、そらもう私が言うまでもなく名優の中の名優ですが、今おいくつか。

最近も映画出てたし、まだまだご健在だと信じているので絶対に長生きしてくださいね。

 

 

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これも代表作品

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やっぱりこっちが原点な気する(*´∀`*)

 

他にも!

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↑こちらもおすすめ(*´∀`*)

 

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まだ他にも!








 

 

 

職場に尊敬できる人、いますか?

ずっと探してきました。

仕事で尊敬できる人。

 

いない、いない、いない…

と虚しく過ごしてきたんですが、

こないだ会社で受けたあるオンライン勉強会で、

あるベテラン営業さんが、セミナー講師に、質問したんです。

 

その質問がなんというか、めっちゃくちゃ基本な内容の質問だったんですね。

その人はリストラも乗り越えて、担当事業のトップのポストで仕事の成果も出している人です。

そんな営業さんだから、もしかしたら恥ずかしいかもしれないレベルの「基本中の基本」な質問を、まさかするとは思っていず。

 

でも私はそれを聞いていて、少しいいなぁ、って思ったんです。

 

分からないことを分からないと言える

 

これ大事。じゃないと成長しないから。

 

それからちょっとだけ、周りを見回してみたら、「勉強している人」がいることに気づきました。

 

そう。仕事ができる人って成果を出す人で、でも私はなんだろう。

成果を出す人にそもそも興味がなかったというか、いい印象がなかったというか。

 

成果を出す営業さんが、私のいる制作サイドを軽く見ていると感じることが多くて、どちらかというと

 

キライ

 

な部類で。人としても。

 

でもですね。去年のリストラから、私自身も「会社に依存しない生き方」を模索しはじめて、というほどではないけど、これまでとにかく毎日を乗り越えるのにいっぱいいっぱいだったところに、コロナがガツンときて、休業からのリストラを経験して、ちょい一歩引いて、自分の生き方考えるようになって。

 

そうすると、自分がいかに井の中の蛙で、無知でなんもしてなかったかを感じたんです。

 

それでとにかく勉強しな!と。

 

…そうして周りをふと見たら、立場とか成果にオゴることなく勉強してる人はしてるんです。

誰にどう思われるとかプライドとか立場とか関係なく、学んでいるんです。

 

自分で自分を見直したら、周りも見えたというか。

 

今も私は

 

仕事できる人=尊敬

 

では決してないけれど

 

自分に足りないことを自覚して学ぶ人=ちょい尊敬

 

で、少なからず身近にもそういう人がいることに、気づけて良かったです(*´꒳`*)

 

 

 

 

実はジョンレノンは生きていた!!!!ら良かったな

 

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もしもジョンレノンが生きていたなら、今年で81歳。

 

ジョンが凶弾に倒れた1980年、私は小学1年生で、ジョンレノンのことも、ジョンが殺されたことも知りませんでした。

 

知ったのは中学生の時。

叔母から借りたビートルズのカセットテープが始まりです。

 

すでにこの世にジョンは存在しなかったし、ビートルズも過去の存在だったけれどもビートルズの音楽はそこかしこに溢れていて、それは今も同じです。

 

「yesterday 」は、イギリスのコメディ作品です。

もしもビートルズが存在しなかったら。

売れないミュージシャンのジャックはビートルズを歌い、徐々にスターになっていきます。

 

荒唐無稽な話ですが主役のジャック役のヒメーシュパデルってインド系?の俳優さんがめっちゃ上手いので、割とすんなり受け入れやすいです。

 

ミスタービーンとかオースティンパワーズとか外国のコメディのノリが私は分からないので、多分本当はもっと笑えるんだと思いますが、そんな私でも、ビートルズ×コメディ はなんとなくですが伝わってきました。

 

ヘイジュードのジュードが古臭い名前だから、エドシーランにヘイデュードに変えられたりだとか(じゃ、ジュードロウって名前古臭いんだ…)、プロデューサーが、ジャックが提案したアルバムタイトルのサージェントペパーズロンリーハーツクラブバンドが意味不明で長すぎだから、ジャックオンリーワンにするとか、おちゃめエピソードが笑えます。

 

アビーロードなんか、ただの道路やんとか言われ笑

確かに〜〜🤣

 

そんな要素から、盗作いつばれるか?というシリアスな後ろめたさがなく、全体に気楽に楽しく観れます。

 

で、ですね。

涙が出ました。

 

ジャックがジョンに会いに行くとか!

 

ジョンレノンは映画の世界では生きていて、海辺で画家として暮らしていました。

 

コンピュータを使ったのかそっくりさんを連れてきたのか分かりませんが、そんなことより私は動いてるジョンに、歳とったジョンに、しゃべっているジョンに会えた…

 

ってびっくり感動しまくりで。

なんちゅー映画作ったんや…

ありがとう(T ^ T)

ってもうそれだけです。

 

そっか…もしもビートルズがなかったら、ジョンは撃たれることなかったんだよね。

 

「人間ジョンレノン」という文庫本で亡きジョンレノンの言葉を追いかけていた学生時代の自分。

 

文庫:人間ジョンレノン

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なんでそんなにジョンが気になったのか、自分でも分からないし、そこに意味はないのかもしれません。

 

中学生の時に作ってたビートルズファイルより。

なぜそんなことをしていたのか忘れたけど、歌詞を手書きしてファイリンクしてました。もちろん歌ってました。懐かしい…墓まで持ってこう!(笑)

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でもジョンがもし40歳で撃たれていなかったら、私は81歳のジョンの推し活をしていたに違いなく。

 

とはいえそれは、ジョンカッコいい!じゃなくて、ジョン神!でもなくて、ギターを始めるでもなくて、なんだったのか分からないけれど、とにかく「推し」であり。

 

死んでしまったジョンもビートルズも、私の宝箱には10代の思い出とともにずっとしまわれています。

 

欲を言えばヨーコも出して欲しかったなー!!

ビートルズはなくても、ヨーコとショーンには出会わせてあげて欲しいな(*´꒳`*)

ジュリアンにも(*´∀`*)

 

 

恋愛の依存と自由の二律背反/私が私であるために

 

恋愛中毒 (角川文庫)

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恋愛に程遠い環境とメンタルにいる私ですが、今回は自分のこれまでとこれからの生き方を絡めて、「今だからこその私の恋愛観」を見いだしていきたいと思います。

 

 恋愛とタイトルに謳いながら、書かれてあるのは切ないラブロマンスなんかでは全然ないのは、「中毒」で分かるかと思います。

 

最初、主人公である水無月さんは、私のようなおばちゃんでも共感できる40過ぎのサッパリした女性として登場します。事務のパートのおばちゃんながら、若い男性社員の恋愛沙汰をさらりと助けたりする、年の功な強さにも好感がもてます。

 

この水無月さん。かつては大学の同級生と結婚していました。藤谷くん。

だけど4年で離婚。その2年後、弁当屋さんに勤めながら、その店のお客さんで芸能人としてテレビにも出る作家の創路功二郎と付き合い出します。

 

この2人が水無月さんが中毒になった恋愛の対象者なんですが、水無月さんは実は粘着質。

 

あれれ・・・?と狂気的な振る舞いがじわじわと出てきはじめて。

クライマックスにはどえらい事実も判明しました。

 

この展開が素晴らしく緊張感あり。

文緒さんの文章は、構成が巧みです。どこを切り取っても退屈させないといいますか。

 

たまに小説にある、中だるみだったり、飛ばし読みしてしまう長い状況説明だったり、本筋に関係ない脇道が続いたり、同じ内容がまた出てきたり・・・それはそれで作品の「味」なので私は嫌いではないのですが、そういった現象がほぼないんです。

 

考え抜かれたパーツがていねいに織り込まれていて、お得感でぎゅうぎゅうしています。

 

書くのすごく疲れ果てそうだな・・・と感じるほどに。。

 

だもんだからサスペンスとしてもかなり面白いんです。

 

だけども今回、恋愛と中毒をテーマに考えていきたいのでサスペンスは置いときますね。

 

まず水無月さんが結婚した藤谷くんと愛人になった創路さんの人物像。

 

これがまあ全く違うんです。

 

創路さんはまあまあ名の知られた作家で金稼いでて、わがままで金遣いが荒く浮気性で明るく社交的。

 

藤谷くんは地味で人当たりは穏やかだけど自己肯定感が低くて根が子供。

 

これどっちがいいですか?

私の夫は藤谷くんタイプ。

藤谷くんは妻の水無月さんに仕事をしろというんですね。で、自分のお給料もいつも決まった額だけを渡して、足りない分は妻である水無月さんが稼いでくれと。あと出費には細かい。な割に自分が好きな本は買いまくる。そして、家事は一切しない。

 

私的には藤谷くんはかなりいけすかない奴です。夫に似た藤谷くん。(さらっと身内をディスる)

でも水無月さんは藤谷くんの気持ちが離れてなお、藤谷くんに執着します。

 

一方で愛人になった作家先生の創路さんは、チャラくて愛人いっぱいで水無月さんを振り回すけれど、水無月さんに新しい経験と給料という名のお手当をたくさんくれます。

 

うーん。私なら昔だったなら藤谷くんだけど、今ならやっぱ創路先生かな。お金をくれるからでなくて、精神が自由だから。

他に女がいたり、いつかはその関係に終わりが来るとしても、自由な精神に惹かれます。自由って大人って事です。きちんと自分の人生背負って、他者を他者としてあつかえるという事です。

まあそんな生き方できる人は稀かもしれません。

 

藤谷くんは仕事が何なのか分からないけれど(水無月さん脳内でどーでもいい部分だったのかも)、すぐお金に困るから稼ぎは良くないでしょうね。そして藤谷くんは自分と他者とは別な生き物である事を理解していない、自分に自信がないからいじけた世界で他を拒絶する。文中にもありますが、「子供」な部分があります。これ、我が夫にも感じます(さらっと身内をディスる2)

私は夫に、私はあなたのお母さんじゃないよとよく感じます。

 

で創路先生は豪邸に住み、愛人を4人持って店や仕事を世話して、海外旅行に連れて行くくらいにセレブです。

だけども水無月さんは、先生の娘に嫉妬して、またも超えてはならぬ法の線を超えてしまうんです。

懲りない女、水無月さん。

 

どっちにしろヤバい方に転がる水無月さんは、ほんま病気なんだなー、でも私は気ままで自由で海外旅行に連れて行ってくれる創路先生タイプが好きかな(*´꒳`*)つまり夫じゃないタイプ(笑)

 

という結論になりました。

それで読み終わっても良かったんですが、

いやいや、そーゆーことでなくないか?と。

 

文緒さんは、あなたはどっちがタイプ?とか言っているんでは決してないわけです。どう考えても。

 

そんなタイプ判断チャート式な恋愛モノにしてしまったら、ほんとに申し訳ないです。。

 

確かに水無月さんの行動は病理的に問題を抱えているのは確かなんでしょうが、気持ちは分からなくもないです。

 

「私は恋愛している」「私達は愛し愛されている」という状況が心地よくなってしまうと、それを壊されたり失ったりする不安や恐れに対して敏感に反応して保身に走るのは、当然といえば当然で、まあその強弱はありますが、ヒトの素直な心でもあり。

 

だから「愛し愛されている」状態のノーマルな恋愛スタイルが元から破綻している創路先生ならば、保身に走らずに互いが寄り掛かり合わずに上手くいくんじゃないかと、私は考えたんですが

 

水無月さんは結局、創路先生にも深く依存し、すべてを壊してしまいました。

 

そこがこの「恋愛中毒」の中毒たる所以といいますか、文緒さんが突きつける「恋愛とはなんぞや」というナゾ仕掛けなんじゃないか。

 

私自身は創路先生みたいな人と恋愛したことも、ていうか友人や知り合いにすらあんな破天荒な人はいないので、未知なる世界への好奇心みたいなものもあるかもしれません。

 

でも文緒さんは、どんな相手でも現実なんも変わらないよ?って突きつけてきます。

 

じゃあ、もう真の恋愛なんか、この世にはないのか?

 

そもそも「真の恋愛」ってなんなのか。恋愛に正しいも間違いも、良いも悪いも、答えあるわけじゃない。

 

一生とか永遠とか約束はできないけれど、その時の好きや愛しさはきっと本当だから、それでいいんじゃないか。

 

でも未来も欲しくなっていく人間の業の深さよ。

 

何にしたって未来の約束は本当に難しいです。

 

親子のつながりでも、未来は約束できません。

 

子はいつか巣立ち、親は寂しく老います。

 

強いて言えばそれが親子の真のつながり方。

約束はしないけど、未来にもつながってればいいよね。という希望です。

 

人を好きになり愛するとき、ずっと一緒にいたいから同棲したり結婚します。

でもやっぱり壊れてしまう。

結婚して何年も経って今私が感じるのは、哀しくも恋愛は壊れるということです。。

まあ昔から真の愛などは求めてはなかったんですが、あ。やっぱり壊れるんだなあ〜としみじみ感じます。

でも、それが悲しいかというと全然。

壊れたまま別の関係に変わった気がします。むしろ、今の関係の方が好きだし、心地よいです。

 

なんでだろうと思ったんですが、いまの方が私を縛るものがないからじゃないかと。

そう、恋愛に縛られて依存性になっちゃった水無月さんのように。

もし恋愛関係を壊したくないなら、依存も共依存も相手への期待も、そーゆー欲を出さないのがいちばんいいんです。

 

でもそれが本当に難しいんですよ。自分の今が不安定だと依存や期待は余計に強まっていきます。

 

水無月さんもですが女性の場合は社会的ないろんな課題があって、経済力で不利なことが多く、余計に依存から抜け出せいことから悲劇を招くことがあります。

だから経済的な自立もめっちゃ大事やなぁと思います。

 

ただ私は経済力だけが依存から脱出できない理由ではないと思うし、そもそも経済力って、主婦の場合、家事や育児は報酬や賃金がない労働だから、いわゆる経済力はない、ってなっちゃう。

 

年収にしたら500万円とか600万円とか言われる主婦の労働や貢献は、現実社会で個人の資産として一円も蓄積されないです。スキルや人間的な深みや金に換算されない価値は他に代え難いくらい蓄積されてても。

じゃ経済的な自立なしでは恋愛は無理なんか?

 

それもまた違うというか。もし恋愛が経済力と直結しちゃうなら、もうそれは本当にイベントですよね。バレンタインフェアという商戦と同じです。

 

 

思うに、やっぱ精神の自由なんじゃないかと。

 

自分がやりたいこと、好きなこと、ありたい暮らし。

 

それを叶えるチカラって、なんていうか、

私にはどーせ無理だしとか、金ないしとか、才能ないしとか、頭悪いし、ブスだし、デブだし、失敗したら怖いしとか。

 

そーゆー得れていないものを数えることからは結局生まれてこなくて。

 

どんな状況や自分だろうと、自分で自分を心地よくする方法を見つけることができたら、もしかした恋愛に依存しなくてすむし、もしかしたら恋愛が壊れないんじゃないか。 

 

 

僕が僕であるために勝ち続けなきゃならない

正しいものがなんなのか

それがこの胸に解る日がくるまで

 

尾崎豊さんが歌うように、水無月さんは水無月さんであるために、中毒を起こしながら闘っている途中なのかもしれません。

 

というなんとなく結論めいたことを考えてみたんですが。

 

尾崎豊さんは言います。

 

別れ際にもう一度

君に確かめておきたいよ
こんなに愛していた
誰がいけないとゆう訳でもないけど
人は皆わがままだ
慣れあいの様に暮しても

君を傷つけてばかりさ
こんなに君を好きだけど

明日さえ教えてやれないから

 

すごく共感。好きなのに傷付け合うくらいなら未来が見えないなら別れた方がいい…わかり過ぎて切なくなります。

 

でも今の私は、そもそも恋愛において好きな人に明日を教える必要はないし、教えてもらう必要もないのではないかと思っています。

 

豊よ、明日は教えなくて良かったんだよ!!

思い詰めないで!

って30年前の豊さんと自分に伝えたいです。

ていうか、尾崎豊さん亡くなって30年経つのですね…ついこないだに思えます。。

 

パートナーは自分を映してくれる鏡であっても、どう生きていきたいか、どう生きていくかは、結局、おのれの問題です。

わがままでいいんですよ。

傷つけたって悩まなくていいんです。

いや悩むのは大事。

でも自分を曲げる必要はないし、その分他人に優しくなればいい。

 

創路さんはバツイチなんですが、前妻さんはチュニジアで暮らしています。なんかの研究しているらしいです。

私はこの小説に出てくる女性たちのなかで、この前妻さんがいちばん自由だなぁと思います。

 

多分外国で娘を育てながら仕事して、苦労しているずですが、でも自分の道を歩いています。

 

私がもし、やりたいこと、ありたい生き方に挫折しそうになったとき(しょっちゅうだけど)、とことん悩んで下まで落ちた後は

誰かのせいにせず、誰かに寄りかからず、自分を偽らずにやりたいことのために一歩行動を起こせばいいんだと。

 

まずは己に恋愛せよと。…なんかナルシストみたいだけど…自分を楽しまなきゃってことです。

その先に他者との良き関係があるんじゃないか。

 

 

もし疲れ果てて依存したくなったならば、その時はそれを許してくれる人に許可を得てひととき肩を借りよう。

そしていつかまた肩を貸そう。

 

そんな風に生きていくのはかんたんじゃないけれど、相手に明日を教えなきゃと他人を背負う恋愛より、自分に夢中で自分大好きな方が絶対楽しいし、良い恋愛ができる気が今の私はしています。

 

いいのかこの結論で。。

 

そうか。

私はそれを目指したいんだな。

 

恋愛中の切ない気持ちをもはやアルバムの中から引っ張りださないと思い出せない、40過ぎてだいぶ経つ私も、まだまだ自分の人生のなかで正しいものがなんなのか、闘いの途中なんであります。

 

 

 

この先10年くらいはSFの金字塔になるかもしれない予感と興行収入ではマトリックスが上

 

TENET テネット(字幕版)

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観たかった映画をやっと観た3 です。

昨年公開モノなのでか、プライムビデオで有料でした。399円払いました〜…

 

結論的には

 

訳分からん!

 

なんですが

 

なんじゃこりゃあ!

という刺激は充分だし、

 

最後の最後に、はー!全部そういうことなんか!

と溜飲がゲキ下がりして

なんとなく晴ればれした余韻を与えてもらえたのもお伝えしときたいことです。

 

あと、全生命体消滅しなくて良かったです(^-^)

 

全生命体の消滅という形での世界消滅を何故か未来人が企み、テネットのアルゴリズムという時間を逆行する技術で、主人公のいる現在でその企みを実行する

という設定。

 

で、世界消滅にはプルトニウムが必要で、ロシアにあるプルトニウムを、悪だくみ未来人と組んで現代人の武器商人が奪取しようとします。武器商人は末期癌で死期が近いから、いっそみんな消滅しちゃえ的な発想です。自分の子供もいるのに…

で、主人公はCIA的?な部隊(実は・・・)の一員で、世界消滅を防ぐために武器商人と闘うというストーリーです。

 

心をぐわんぐわん揺らされる感じは全然ないですが、とにかく肝ポイントの多さ(と謎ポイントの多さ)では群を抜く作品だと感じました。

多すぎて、何を書いても逆に意味ない気もするので、個人的に他にないくらいのずば抜け度!と思った点だけ書いておきたいと思います。

 

タイムトリップではなく、巻き戻し

今までにあったようなタイムトリップもののように、過去の一時点に戻り、そこから未来に向けた時間軸を辿るのでは全然なくて。

 

まさに映像を巻き戻すように、時間を逆回しするなかを過去に向かって進むんです。

だから、発射された銃弾が銃創に吸い込まれたり、大破した車やビルが元に戻ったり、走る車や歩く人が後ろに向かって巻き戻される様を目にしながら、そのなかを、自分だけ過去に向かって進むという映像がビシバシ出てきます。

これは…観たことがないです。

でもアクションシーンや戦闘シーンばかりでごちゃごちゃしてて、観ててもよく分からないというのが正直なところ笑

ただ、これ現実にはあり得ないビジュアルだよなぁと不思議な感覚には陥りました。

 

あと、私は映画を観ながら、ずっと逆行していくと人類史を遡って果てには生物も地球も生まれる前のビッグバン→無にたどり着くよな~…と単純に考えたのですが。

要はそれが世界消滅ということで、プルトニウムを使ってそれを一気に起こすってこと?と。

 

つまり、Aという時点から逆行を全世界的に進めることで、A時点から世界は一斉に過去に折り返し、Aより未来は一切なくなる=でもどんどん過去に遡るからAももちろん、過去全部が巻き戻ってしまって過去も現在も含む一切が消える。

 

たとえば人類史がVHSビデオテープの記録とするなら、初期設定を上書き録画しながら巻き戻っちゃって、テープのもともとの記録自体が全部なくなっちゃった。

みたいなことなのかなー、と自分なりに解釈してみました。

ビデオテープって急にアナログアイテム出しましたが。

 

 

合っているかは知りません。もしこの逆行=TENETのアルゴリズムの仕組みを1分くらいで小学生でも分かる分かりやすさで説明してくれる人がいたら、一生尊敬します。

 

そもそも私は、世界消滅とテネットのアルゴリズムがどう関係しているかがさっぱりわからないまま、場面場面の理屈はあっているような気がして、見ていただけな感じです。

単純にプルトニウムの爆発力で世界を滅亡させる、ってのではないことは分かるんですが〜。変にプルトニウムとか出てくるから、「バック・トゥー・ザ・フューチャー」で、タイムマシンであるデロリアンの燃料がプルトニウムって話を思い出しちゃいました。それも違う??

 

バック・トゥ・ザ・フューチャー (吹替版)

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そこはもうそっとフタをしときましょね…

 

ところで逆行世界に逆行世界外から来た人と逆行世界の人が入り混じるんですが、見分け方のポイントとしては、酸素マスクしてる人は逆行世界に外から入った人。

逆行世界入ると自発的な肺呼吸が出来ないからですって。

なるほど、そーかぁ

でも戦闘シーンだとみんなマスクしてるから、やっぱり訳分からんのですが。

 

想像ですよ?クリストファーノーラン監督は、こんな誰も考えたことない、創造したことない世界をあーしてこーして、あーなって…ってパズルみたいに組み立てていくの、すごい楽しかったんじゃないかと。

ふと。ある意味、誰よりオタク。マニア。何のってSFやタイムトリップの。じゃないとこんな作品出来ない気がします。

 

何回も観ることで余計に楽しめるらしい

主人公が自分のミッションの発注者を知らないで行動すること、主人公の名前が出てこないこと、相棒のニールが思わせぶりだけど何も語らないこと、などなどがずっと続くんですね。

で、最後の最後にそーゆーことか!と。

ストーリーの全てが伏線とその回収のメビウスの輪やん!といっていい状態なので、もう一度始めから観ると、いろいろ、あー!!と思うんだろうと思います。

でも私は多分もう観ないですが。そこまでオタクじゃないから…(´Д` )

ノーラン監督ばりにSFのタネや理屈を知ったり作ったりすることが楽しい人にはめっちゃ楽しい時間になるのでは。

 

あとどうやって撮影したんだろう?という謎も追いかけると楽しいかも。

…まあ私は追いかけないんですが(゚ω゚)

 

という事で昨年話題だった作品を観まして、全体的には、なんだかよく分からないけど、すごい作品が出てきた感覚だけはお伝えしたいと思います。

 

興行収入について

マトリックス」を初めて観た時の感覚にちょい似てるけど、「TENET」はもう一段難解で進化系…みたいなところでしょうか。

マトリックス」は1999年の作品で、もう20年以上経つんですね。。そう考えると「マトリックス」すごいなぁ。SFの理論を「分かりやすいエンターテイメント」に仕上げた意味では「TENET」より上だと私は思います。

製作費6300万ドル。興行収入4.653億ドル。

 

マトリックス (字幕版)

マトリックス (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

 

 

テネットの製作費は2億ドル超え、興行収入は3.631億ドル。

✳︎どちらもWikipediaより。

 

 

お商売としてはマトリックスのが上ですね。

勝手な想像ですが、そもそもノーラン監督は「分かりやすいエンタメ」に仕上げる気がさらさらなかったんでは。でも製作費が莫大になっちゃったし、ある程度の回収力は担保しなきゃってので、この興行収入かなと。「TENET」もこの先10年くらいは、その衝撃の余波は続く予感もしますし。

でも今って早いですよね。技術の進化も、価値観の変化も。どーなるか…

 

 

というかハリウッドはケタがオバケすぎるのが怖い…

改めて映画って、ケタ外れに儲かるんだなと。

 

 

ノーラン監督の「インセプション」も観てみたいな、と思ったら観てました。

でもほとんど覚えてない…(涙)

 

インセプション(字幕版)

インセプション(字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

 

個人的にはSFの金字塔といえばリドリースコット監督の「ブレードランナー」というのは今でも間違いない!とは思うんですが。。ブレードランナーは1982年作品。40年前〜

 

ブレードランナー ファイナル・カット(字幕版)

ブレードランナー ファイナル・カット(字幕版)

  • 発売日: 2015/03/15
  • メディア: Prime Video
 



40年前にブレードランナー

20年前にマトリックス

今テネット

20年周期??

 

 

ホラーなのか、社会派なのか/ネタバレまくり

 

ゲット・アウト(字幕版)

ゲット・アウト(字幕版)

  • 発売日: 2018/01/19
  • メディア: Prime Video
 

観たかった映画をやっと見れた2 です。

 

怖かったです。

 

この映画はネタバレせずに見たほうが良いので、まだ観ていない方は読まないでください。

すぐ下に結末ネタバレ書いてるのて(´Д` )

 

 

 

 

 

最後、クリスが派手にやらかしつつも脱出出来て良かったです。←結末ネタバレ

 

この怖さは、感じたことある怖さです。

普通に見える人たちが実は狂っているという。

 

私は高校生の時に観た「カッコウの巣の上で」という1975年にアカデミー賞を5部門受賞した映画に似ているように思いました。

カッコウの〜は、マイベストムービーなのですが、なんでだろう。

あ、ロボトミーが出てくるところが似ているのかもしれません。

 

カッコーの巣の上で [Blu-ray]

カッコーの巣の上で [Blu-ray]

  • 発売日: 2010/10/06
  • メディア: Blu-ray
 

ちなみにプライムビデオで観れないです。

カッコウの巣の上で」はアカデミー獲ってるんですよ?

Amazonぜひ配信を。

 

ちなみに映画もこれが一番名作だと今も思っているし、ジャックニコルソンが群を抜いてマイベストアクターです。

次が田中邦衛さんと蟹江敬三氏。

我ながらなんか系統似てる…

 

若い頃の衝撃には、なかなか叶うものないですよ、ほんとに。

 

カッコウの巣の上で」はホラーではなくて、全面的に社会派映画です。

この「ゲットアウト」はホラーなんで、ホラーとしての楽しみ方ができます。

私自身はどちらかというと、ホラーとして面白かったです。

しかも、じわじわくる静かなホラー。スティーブンキングの「ミザリー」的なホラーですね。

 

ミザリー (字幕版)

ミザリー (字幕版)

  • 発売日: 2015/10/14
  • メディア: Prime Video
 

 

普通(だとイメージしがちな)の人が実は狂ってるやん、てやつです。

そこに、白人が黒人の肉体に憧れ、肉体を奪おうとするという設定があって、人種差別がテーマにもなっているんではないかということですが、監督の意図は全く知らないので、聞いてみたいです。

 

私自身は、個人的にはそれほどそこを主張したかった訳ではなくて、たとえば「カラーパープル」みたいな、もう本当に心がぐわんぐわん揺れる傷みを伴うテーマ性はなくて、皮肉程度には入っているんだろうなぁという印象でした。

 

カラーパープル(字幕版)

カラーパープル(字幕版)

  • 発売日: 2015/04/30
  • メディア: Prime Video
 

 

最近なら「それでも夜は明ける」とか。

 

それでも夜は明ける(字幕版)

それでも夜は明ける(字幕版)

  • 発売日: 2014/10/02
  • メディア: Prime Video
 

 

全部名作です。

 

そもそもこの映画は、人間の負の思考を巧みに利用してホラー化しているという視点に立ってみれば、最初から割と人種差別は関係ないと感じました。

ただ、

たとえば「彼女の実家に行く」という、たいていの彼氏が億劫に感じる小さなネガティブな思考に、「白人の彼女の実家に黒人の彼氏が行く」という人種を絡めることで、その億劫さをさらに、「なんか起きるだろな」という要らぬ胸のざわざわ感に拍車はかかったし、

主人公のクリスがやたら彼女に優しくていい奴ぽい雰囲気なのも、不穏な空気を感じさせます。

 

さらに、彼女の実家のパーティーで、クリスが白人に囲まれているなか黒人を見つけて安心する感じ、彼女の弟が酔っ払いでチャラそうな感じ、彼女のお父さんお母さんがインテリな感じ、クリスの友人が必要以上にうるさい感じ、そういうちょっとしたことも、私たちが日常的に、不安に思ったり、きっとこうだろうと決めてかかっていることの皮肉に思えてきました。

 

そう、この映画は多分人種云々以上に、私たちの日常にある固定観念や社会通念やバイアス(先入観)全てを皮肉っている、と受け止めるのは考えすぎでしょうか。

 

私が、あいたあ〜やられた〜と思うのは、誰かの差別や被差別じゃなく、自分に潜むバイアスや固定観念なんだと。

 

バイアスや固定観念が何を導き出すかというと…それがこの作品のホラーの下地にある

不安

なんだと思います。

 

不安と狂気は紙一重

私の中にもある不安、狂気。

 

そう考えると「カッコウの巣の上で」とは毛色やテーマは違うけどやっぱり社会派なんかも(*´∀`)♪

 

それはそれで良しとして、「カッコウの巣の上で」はズバリ管理社会へのアンチテーゼやとわたくしは解釈してますので、それもまたいつか書きたいと思います。

 

 

よそ者が世界を前進させる/ネタバレあり

 

スポットライト 世紀のスクープ (吹替版)

スポットライト 世紀のスクープ (吹替版)

  • 発売日: 2016/09/07
  • メディア: Prime Video
 

 

プライムビデオで吹き替え版を無料視聴しました。

観よう観ようとなかなかチャンスなく、やっと観ました。

面白かったです。

 

ボストンのメディアが、教会の神父による子供への性的虐待を暴くという2002年に実際にあったスクープをベースにした作品です。

 

ボストン・グローブという新聞社の4人だけで構成された特集記事担当ターム、スポットライトの軌跡です。

 

最初はいち神父の犯罪行為に過ぎなかった(それはそれで重罪だけど)問題が、探るうちに、多くの性的虐待カトリック教会そのものによる隠匿の事実が明るみになっていきます。

 

ボストンというコミュニティを盾に教会には逆らうなともとれる友人からの助言に

 

マイケルキートン

「有力者の圧力に屈しなければ、街中を敵に回すということか」

 

という切り返しにはしびれました(=´∀`)人(´∀`=)

 

不可侵だった世界に斬り込むには勇気と強い意志が必要ですが、やはりそこはジャーナリストだなとしびれると同時に、新聞記者のブラックな環境もしみじみ思うことであり。

 

後で調べたんですが、スポットライトの4人は、このスクープ報道でピューリッツァー賞を取っています。

 

この神父による小児性虐待事件は、そもそもマイアミから来た局長がスポットライトチームに持ちかけたのが発端です。

 

知らなかったですがボストンってニューヨークよりちょい上にあるアメリカの大都市なわけですが、なかなか保守的なんですね。強い地元愛と表裏一体に、外部から来た人間を「よそ者」という感覚で排他的に扱うのが全編通して描かれていて、自由の国アメリカにも限界があるんだなぁ、都会だろうと田舎だろうと、そもそも移民の国のアメリカだろうと排他的な面はあるのかもと驚きました。

 

ボストン調べたら、歴史が古い都市らしく、人口は約66万人。

東京の足立区くらいの人口です。

 

LGBT割合が高く、大学やIT系企業も多数あるみたいでなかなか進歩的なように思えるんですが〜

 

あと日本ではアメリカやヨーロッパみたいにキリスト教など宗教が生活に根付いている訳ではないので、その感覚もまた違うんかなと思いました。

 

ただまあ、どこでも保守的な面はあるんだろうし、外からの異物、異端が混ざることでレボリューションやイノベーションが起きるのも世の習いなので、多角的な視野が必要なメディアは特に

 

外からの目

 

というのがとても大事なことなんだと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんで当たり前ができないの?社会適合の外側に子育ての可能性はあるか ネタバレあり

 

推し、燃ゆ

推し、燃ゆ

 

 

芥川賞

21歳!

 

読みました〜。

すぐ読めます。直木賞か?と思ってしまうくらい、とにかくさらさら読めます。

 

すごく面白かったです。読む人の五感に響く生々しい文章にとても魅力を感じました。

 

肉を感じる て表現、すごいね。

 

 

アイドルの推し活が行き過ぎる主人公が身を滅ぼしていく姿が、私にはどーしても、いわゆる勉強ができない部類に属する受験生の娘と重なりました。

ほぼ同一化して読んで、やるせなくなりました。

 

「推し、燃ゆ」のあかりんが、いつも身体が重い、提出物のメモを書いても書いたことを忘れる、部屋にいつ買ったか分からないペットボトルが落ちているという場面が描かれていますが、我が子の場合も全く同じ!

とにかく楽しいこと優先で勉強をしない、授業をちゃんと聞かない、宿題忘れる、約束やぶる。

定期テストの結果がどれほど悪くても、家に帰ったら友達とゲラゲラ電話したり、マンガ読み耽ったりできる図太さもよく理解できません。

 

これまで、何度もケンカしてきました。いつも話し合っても状況は変わらず、親の育て方のせいかと自分を責めたりもしてきました。

もしかしてADHDなどなんらかのグレーゾーンなのかもとも疑って、今もまだ正直疑っているし、というか、半分そうなのだろうとも思っているというか、もう今は、たとえば心療内科などに行けば誰もが何らかの病名がつく時代なので、何かではあるんでしょう。

 

まさに主人公のあかりんのように。

 

でも一方で、本当にこの子は出来ない子なのかなぁとも思うんです。普段の彼女は短絡的で先を考えて行動できないところはあるけれど、基本的に気持ちが健やかで、すぐ楽しいことを見つけてきて、文句はいいつつ家事手伝いもしてくれて、時になるほどと唸るようなことを言ったりします。彼女は、私には、出来ない子には見えなかったりするんです。

 

あ、親バカですかね。。うーん。

 

でも、あかりんも、そうでないか?と。

 

むしろ今の日本の学校教育への違和感のほうが大きいです。「推し、燃ゆ」を読んで、さらにその思いが強まりました。

 

今回は「推し、燃ゆ」感想というよりも、小説からも感じた日本の教育について、それと親としてできることは何か、などなどを考察していきたいと思います。

 

ネタバレてますのでご注意を。

 

現代の中学生はなぜあんなにプリントにまみれているんだろう

 

推し活と、そのための居酒屋バイトしかやる気が出ないあかりんは、成績や出席日数を満たせず高校を退学します。あかりんは、親や先生から言われることも理解はしている。でもなんで他の当たり前のことが出来ないのか自分でも分からない、私だって聞きたいといいます。

 

うちの子は中学生で、義務教育ですから、そうそう退学にはなりません。

でも、同じ思いなのではと思います。

 

現代の中学生はプリントにまみれています。大量の配布プリントの整理を何度か手伝いましたが、だいたいが見にくいし読みにくいです。

 

整理番号がついていないから、プリントを順番にまとめるにも手間取り、下手すると理科なのか社会なのかも分からないこともありました。 

 

教科書だけじゃない副資料もやたら多く、一教科で3冊くらい。全教科でそれされたら、そりゃ混乱するよなぁ。カバンもいつもぱんぱんです。

 

この状況ではなかなかに、学校の勉強にはついていけないのではないかなと。てか、ついていけない子供を、プリントと宿題の管理でまずは振り落としたいのでしょうか。

 

整理整頓力はあるに越したことはありませんが、それは分かっていますが、ただ性格的な個人差があるのも事実です。そもそも私自身、整理整頓も自己管理もできない子でした。今も整理整頓は苦手です。

 

今って情報を与える側の「情報発信リテラシー」も進んでる時代です。デジタル化とユニバーサルデザインが当たり前になった時代です。誰もが理解しやすく、使いやすいことが良し!とされて久しいです。

 

いま、私の仕事であんなにたくさんの量のプリントを使っていたら、非効率すぎて逆に「仕事できない人」になります。ペーパーレス化ができていない非エコ、非サステナできっと批判も浴びます。

 

もしも山盛りプリントが"あえて"整理整頓能力を磨くための教育委員会の施策だとしても。じゃプリント管理できないうちは、学力もずっと身につかないという二重苦を背負うことになります。

 

さらにそのプリントに書かれている内容も、プリントの山の高さに比例して、ただひたすら覚えないといけないことが詰め込まれているだけのようにみえます。

いわゆる詰め込み教育だよねと。

 

中学校で学ぶ学習は基礎的なものです。

義務教育で関数が必要かとか、化学記号が必要かとか、そんなことを言いたいわけでなく、

知識や示唆を通して、世界をどう見るのか?どう行動するのか?が勉強じゃないのか。

 

学ぶことが未知なる世界や可能性をいかに広げるか、学ぶ事で始まる想像や創造がどれだけ自分を助けるか、大量のプリントで子供たちにきちんと伝わるのだろうか…と。

 

プリントの山の中から、大事なそれを見つけ出せない子は多いのではないか。

と感じます。

 

画一的な成績評価が子供の可能性を見捨ててない?

もうひとつ感じるのは評価の方法です。学校の成績は、進学に直結します。進学は、職業や将来の選択肢につながっていきます。

 

けれども、その評価基準が著しく画一的に感じます。

詰め込んだものを消化できる能力だけを評価しているように思えます。

生きていくために必要な力はそれだけではないはずで、たとえばコミュニケーション力。

議論する力。自己主張する力。

聞く力。話す力。他者との違いを理解する力。多様な世界とつながる力。

 

本来ならば、人間が生きる助けになるだろう大切な知恵や能力や経験が、画一的な評価基準のせいで無視されて、育めるはずの可能性や将来の選択肢を削ぎ落としてしまっている気がしてならないです。

 

周りから「何にもできない」と言われる主人公のあかりんや、うちの娘を擁護するわけではないけれど、彼女たちに本来ある、生きる力、彼女たち自身が育める力。認められるべき力。

 

それを一切合切スルーして、ダメな子と評価するしかないのが今の日本の教育ならば、というか、今の日本の現実なのです。

 

割と救いようがないです。

 

小説も現実も。

 

私自身、なんで勉強しないといけないのか分からず結果勉強しなかった人間です。そんな自分を悔やみ大人になっても引きずっています。

 

だからこそ今なお学校教育はなんら変わってないんだなぁという既視感にセンチメンタルになります。

 

でも今は親です。いち親としてできることはないか。

 

どれだけ意味があるかは未知だけど、これだけは!と以下の3つだけは気をつけたいと思っています。

 

今の日本の学校教育の評価で、私自身が子供を評価しない

だからといって、学校の勉強を無視しろとは絶対言っちゃダメです。それとは違います。知らないことを教わることは大事な機会だから。だから学校の勉強は大事だということはずっと言い続けていくつもりです。

そうではなくて、通知表と同じ評価はしないようにしたいってこと。

なんで努力しないんだとか、そんなんじゃ生きていけないとか、そーゆーことを言わない。実際言ったこともあるんですが(あるんかい)、まあ狙い通りに努力するわけもなく。ただただ反発になって返ってくるだけです。溝が深まるばかりです。だから、たまに言いたくなっても言わない!

 

分からないものに毎日向き合うって相当なストレスなはずなんで、本気で理解させたいなら親自体が時間を割いて一緒に勉強する必要があると思います。

でも現実かなり難しい。中学の勉強はもう私には解けないものもあり、方程式も文法も忘れました…

 

ただ、できない事実や間違えた事実を受け入れるのは大事なんで、そこからが始まりで間違えてなんぼなんだよとは話しています。間違えてエライ!と。

 

学びは本来楽しいものと伝える

学びは授業の中にも外にもあって、毎日の中で、知ること、考えること、間違えること、やり直すこと、あなたがやっているすべてが学びだと伝えること。

学ぶことって本当はもっと身近で、割と楽しいよと。プリントや机の上だけじゃないよと。勉強に対する苦手意識を払拭して欲しいんですが、これがなかなか難しいです。

ことあるごとに面白そうな本をおすすめしたり、興味深いニュースや出来事を話題にしたり、あの手この手でやってますが、なんかいい方法ないかなぁ。。

ちなみに「推し、燃ゆ」は学校で話題らしく、マンガ専門の娘が、この小説なら読みたいと言うので、買いました。私が先に読んだので、娘にはまた感想を聞きたいと思います。

 

子供の底力を信じる

学校の成績は悪いけど、頭の回転が早く、人と分け隔てなく接することができる娘のバイタリティを信じること。

てかむしろ楽しみなこと。それを彼女に伝えること。ディベート大会で劣勢から五分五分に持ちこんだ彼女の討論のスキルが全く成績に反映されないとしても、私は素晴らしい能力だと信じているし、自分でも自分を認めてあげてほしいです。

 

推しを鋭く考察するあかりんの文章力も、バイト先でどれだけ失敗してもへこたれない根性も、どこかで花開きますように。

 

 

 

 

 

 

 

男子がカッコいい90年代から2000年代の少女漫画界エース

娘が好きで。
というか、そもそも私自身が10代から読んでました。
いくえみ綾作品。

潔く柔く は読んだことなくて、初めて読みました
思った以上に良かったです。
切ないしやるせない…
そして、いくえみ作品はあれですね。

良い奴が最後幸せになりますね。
卑怯めなキャラはなかなか幸せになれないけど…

ちょっとすっとします( ̄▽ ̄)

ここがステキ!いくえみ作品

揺れ動く感情の機微を画(え)とコマで見せていくんめっちゃ上手い

潔く柔くを読んで、いくえみ綾は、気持ちを掘り下げてコマ運びで見せていくのめっちゃ上手いなぁ…(T ^ T)
って、改めて発見しました。

少年マンガはあまりこれが上手くないというか
タッチのあだち充さんとかは別格ですが
いくえみ作品の醍醐味はここだと私は思います。

しかも、こう少女マンガ界なのにキレイ事じゃないんです。どろっとした女子のヌメっとした嫉妬心や、劣等感みたいなん描くのバツグン。
息飲む泥沼感。
うわー女のヤなとこ見てもうたわぁ…というか、それはつまり自分のヤなとこ見てもうた、なのか…

一方で、特に男性キャラがそうなんですが、一瞬の前向きさや優しさをサラッと見せて、人柄を語らせるのも多いです。

悲しい環境にいる人間に悩ませて成長させる

いくえみ綾作品を読んでいる人はご存知でしょうが、とにかく、主人公や周辺の人は「何かを喪失してる」ことが多いです。

しかも、それが肉親や友人だったり結構大切なものを失っている場合が多くて、基本的にどの物語も「喪失」を前提に、残されてしまったけど生きていかねばならない人たちの生き様が丁寧に描き綴られていきます。

たとえば、「潔く柔く」は主役がコロコロ変わるんですが、でもその主人公たちはハルタという存在の喪失を軸にして繋がっています。喪失から物語は始まり、出会い、ぶつかり、拒絶しつつも、分かり合おうともがく若者たちの、まさに群像劇ちゅーか

それにね、結構私は励まされるといいますか。


出てくる男子が全方位的にカッコいい


いとしのニーナ 1 (バーズコミックスデラックス)

いとしのニーナ 1 (バーズコミックスデラックス)

いくえみ作品以上にカッコいい男子が登場するマンガ見たことない!

と言ったら、言い過ぎでしょうか。

好み?

まあ、とにかく一度読んで欲しいです
立ち読みでパラパラ見るだけでもいいです

出てくる主役級男性、ほぼカッコいいから。
(脇役が雑な扱いで絵柄だけで分かる笑)

で、どっちかというと、女性キャラより優しくて懐が深い男性が多いです

で、嘘くさくない!その辺にいそうな顔立ちといでたち

おしゃれ!

まあシンプルに絵が上手いんだと思います


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

いくえみ綾は、昔の作品も今ぜんぜん違和感なく読めるので、ぜひ90年代から2000年代初頭作品、お楽しみいただければと思います

新しめ作品は映像化。びっくりしましたよ、いくえみ綾なんや!!と…昔と今は作風がやはり違います
てか今をよく知らない……

[asin:B08SQ83S1W:detail]

母はなんで暴走族マンガを読んでるんだろう

 

 

娘が「めっちゃおもろいねん」と熱く語るので、へー「新宿スワン」の作者なんや、新宿スワンは面白かったからじゃあ読んでみようかなあーっと読んでみました。

 

…まあ、「ろくでなしブルース」現代版?

 

 

ホットロードも思い出しました。 

名作。

 

 

しかし、PTA的には、中学生が単車乗り回して、ヘッドにタトゥー入れて、バイク屋でバイク盗もうとして友達のお兄さん殺しちゃうとか、いかがなものか?

 

今もまだこんな卍會とか愛美愛主と書いてメビウスとか、芭流覇羅(バルハラ)とか、名前つけるのでしょうか?

パラパラて走ってんでしょうか…

 

なんか夢の世界

 

まあでも、かつて自分も、ホットロードに憧れたり、ロンタイベイビーに憧れたり、スケバン刑事に憧れたり、ケンカが強い不良に憧れて、自分が強くなった気がしたり、したなぁ…

 

 

リアルではカツアゲするより、される側だったけど…されたこともないけど

 

2巻、ドラケンのセリフいいですね

 

頭を下げる知恵は持たなくていいから

人を思う心は持て

 

ってやつ(うろ覚え)

 

強くて、寛容で、オトナなキャラには憧れるもんです😊

 

もっとこういうシーン増やして欲しい!

そしたらぐっと読書層広がるはず\(^ω^)/