観たかった映画をやっと見れた2 です。
怖かったです。
この映画はネタバレせずに見たほうが良いので、まだ観ていない方は読まないでください。
すぐ下に結末ネタバレ書いてるのて(´Д` )
最後、クリスが派手にやらかしつつも脱出出来て良かったです。←結末ネタバレ
この怖さは、感じたことある怖さです。
普通に見える人たちが実は狂っているという。
私は高校生の時に観た「カッコウの巣の上で」という1975年にアカデミー賞を5部門受賞した映画に似ているように思いました。
カッコウの〜は、マイベストムービーなのですが、なんでだろう。
あ、ロボトミーが出てくるところが似ているのかもしれません。
ちなみにプライムビデオで観れないです。
「カッコウの巣の上で」はアカデミー獲ってるんですよ?
Amazonぜひ配信を。
ちなみに映画もこれが一番名作だと今も思っているし、ジャックニコルソンが群を抜いてマイベストアクターです。
我ながらなんか系統似てる…
若い頃の衝撃には、なかなか叶うものないですよ、ほんとに。
「カッコウの巣の上で」はホラーではなくて、全面的に社会派映画です。
この「ゲットアウト」はホラーなんで、ホラーとしての楽しみ方ができます。
私自身はどちらかというと、ホラーとして面白かったです。
しかも、じわじわくる静かなホラー。スティーブンキングの「ミザリー」的なホラーですね。
普通(だとイメージしがちな)の人が実は狂ってるやん、てやつです。
そこに、白人が黒人の肉体に憧れ、肉体を奪おうとするという設定があって、人種差別がテーマにもなっているんではないかということですが、監督の意図は全く知らないので、聞いてみたいです。
私自身は、個人的にはそれほどそこを主張したかった訳ではなくて、たとえば「カラーパープル」みたいな、もう本当に心がぐわんぐわん揺れる傷みを伴うテーマ性はなくて、皮肉程度には入っているんだろうなぁという印象でした。
最近なら「それでも夜は明ける」とか。
全部名作です。
そもそもこの映画は、人間の負の思考を巧みに利用してホラー化しているという視点に立ってみれば、最初から割と人種差別は関係ないと感じました。
ただ、
たとえば「彼女の実家に行く」という、たいていの彼氏が億劫に感じる小さなネガティブな思考に、「白人の彼女の実家に黒人の彼氏が行く」という人種を絡めることで、その億劫さをさらに、「なんか起きるだろな」という要らぬ胸のざわざわ感に拍車はかかったし、
主人公のクリスがやたら彼女に優しくていい奴ぽい雰囲気なのも、不穏な空気を感じさせます。
さらに、彼女の実家のパーティーで、クリスが白人に囲まれているなか黒人を見つけて安心する感じ、彼女の弟が酔っ払いでチャラそうな感じ、彼女のお父さんお母さんがインテリな感じ、クリスの友人が必要以上にうるさい感じ、そういうちょっとしたことも、私たちが日常的に、不安に思ったり、きっとこうだろうと決めてかかっていることの皮肉に思えてきました。
そう、この映画は多分人種云々以上に、私たちの日常にある固定観念や社会通念やバイアス(先入観)全てを皮肉っている、と受け止めるのは考えすぎでしょうか。
私が、あいたあ〜やられた〜と思うのは、誰かの差別や被差別じゃなく、自分に潜むバイアスや固定観念なんだと。
バイアスや固定観念が何を導き出すかというと…それがこの作品のホラーの下地にある
不安
なんだと思います。
不安と狂気は紙一重…
私の中にもある不安、狂気。
そう考えると「カッコウの巣の上で」とは毛色やテーマは違うけどやっぱり社会派なんかも(*´∀`)♪
それはそれで良しとして、「カッコウの巣の上で」はズバリ管理社会へのアンチテーゼやとわたくしは解釈してますので、それもまたいつか書きたいと思います。