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子育てと正社員の両立にぎりぎりな40代の母(映画・読書・日々のこと)

子育てしながら正社員として仕事しています。40代の母のブログです。コピーライター、読書、映画、プライムビデオ。育児の悩みや仕事の悩み、広告、マーケティング、家族のこと、ふと思うことを綴ります。

「星の子」中学生を救うのは家族でも友達でもない場合だってあるよ

 

 

 

星の子 (朝日文庫)

星の子 (朝日文庫)

 

 

うわぁ。

今村さんステキやん

 

作家の感性とそこから導き出す一瞬の記憶や、言葉を紡いで生まれた物語って、感じ

 

しんみりと遠い目になりました…

 

中学生の物語パート2

 

優しくてやわらかい

 

で、やっぱり優しさには寂しさがある

 

ザ 優しい寂しいシリーズのまたすごいやつが!

✳︎村上春樹作品筆頭

 

中学生自分を救うことが人生の命題と自認する私は、中学生の自分ならどう感じるか?

そして親である今の自分はどう感じるかのダブルシンキングで読む訳ですが

 

結果、どちらも優しい気持ちになりました

 

あ、中学生自分は、主人公を羨ましいと思いました

 

何故って、親からめちゃくちゃ愛されているから

 

親が盲信する宗教もね、描き方が優しいです

 

 

頭にタオル載せて水かける

 

って確かに夕闇の公園にそんなケッタイなことしてる人いたら、かなりシュールに違いないけれど

 

ひとつには、友達のなべちゃんやなべちゃんの彼の新村くんみたいなノーマルな、それでいて人を宗教、思想、信条で分け隔てなく接する人がいて

 

もうひとつには、南先生のように、宗教、思想、信条を色眼鏡をかけて、否定する人もいて

 

さらに、宗教を信じる人のなかにも、そのどちらもいて

 

 

お母さんとお父さんが、病弱だった主人公を癒したと信じている姿も、比較的平和です

 

家がどんどん貧しくなっていった理由は明確には書かれていないし、信じている「宗教」が結局なんなのかもストーリーでは解明されないままですが、とにかく主人公の家族は具体的に誰かを傷つけたりは全くなく、誰かに盲信を強制することもなく、淡々と信じているだけなんですね

 

あ、だから貧乏なのか!

 

ただ。

 

じゃ、子どもは?って部分ですね。

親戚のおじさんがその疑問を投げかける具体的人物すね。

 

確かに、子供は親が信じているものの影響をダイレクトに受けるわけで、親の盲信から子供の成長や心身への危害がもし生まれるならば、それは犠牲と呼んでもいいはずです

 

ただ主人公の両親は、主人公に健やかさを奪うような危害は与えてないと私は思いました

 

今村さんもきっとそこは守り抜いたんかなと

 

ただその盲信(と周りに営業かけたり強制勧誘しないこと)を発端に修学旅行のお金を親戚に借りなければならないくらいには貧乏になってしまったこと、主人公がいつもお腹を空かせていること

 

がうっすらと描かれてはいて

 

親戚のおじさんはやっぱそこがマズいと

 

判断しています

 

うん

 

まあそれはマズい

虐待ともなってしまう

 

 

でも両親はそれを受け入れるのか?

 

あとはネタバレになるから書きませんが

 

私は、その選択のラストシーンが、幸せではないだろうシーンが、なんだかやっぱり羨ましいんです

 

幸せってなんだろうと

 

他人が測れるもんじゃないと

 

ましてや裁けるもんじゃないと

 

そして中学生自分も今の私も、いちばん印象的な登場人物はなべちゃんです

 

なべちゃんは、主人公の同級生でズケズケものをいうけど、人をさばくわけじゃない

分からないことを分からないと言えるし、学校カーストヒエラルキーを気にするようで、なんやかやで主人公側にいる

この絶妙さ

 

先の 「カラフル」の主人公の同級生の早乙女くんにも通じます

「カラフル」中学生の物語は私の人生のテーマ - 子育てと正社員の仕事の両立にぎりぎりな40代の母ブログ

 

フツーの友達がくれる居場所って、中学生にはもう百万力

 

1人でいい

友達じゃなくてもどんな形でもいい

エドワードファーロングでもいいし

YouTuberでもいい

アニメの主人公でもいい

パン屋のおばちゃんでも

電車でみかけたおじいちゃんでもいい

 

優しい寂しい小説でもいい

 

 

自分とも家族とも違う個性を心から信頼する時間を持つこと

 

 

中学生を救うのは

 

そんなことなんやろなぁと

 

親ができることなんかまあ限られているけれど

 

それを見守るくらいはしよかなと

 

親の自分はしんみり感じました