元気がでる女性活躍の映画です!
しかも実話をベースにしてます。
良かったです。
ネタばれあり。
1950年代、やっと女子に入学の門戸を開いたハーバード大学を首席で卒業したルース・ギンズバーグは、
弁護士として活躍を夢見ていたものの「女性」であることから、どこの事務所からも採用されず、唯一受け入れてくれた大学の講師として就職。
夫のマーティンは税法のエキスパート弁護士として活躍するのを尻目に、「くう~」という悔しさをかみしめつつも、1970年、ある裁判に出会い、「これが私の道だ~」と訴訟を起こすことになります。
その裁判が、独身男性に親の介護の助成がないのは法律の性差別だ、撤廃しろ。というもの。
当時は介護をするのが女性だからということで、女性だけの特権だったそう。
すでに敗訴していた(というか誰も弁護してくれなかった)訴訟で
ルースと夫のマーティンは闘うことを決意。
でもこれがなかなかすったもんだで・・・
ベトナム帰還兵や公民権運動では闘うACLU(アメリカ自由人権協会)の友人メルに協力を頼みますが
忙しいだのお金がないだので二の足を踏まれたり、
キャシーベイツ(ミザリーの頃と全然変わらない)演じる大御所弁護士も時期が早いと難癖をつけるし。。
まあそうなんですよ。なんていってもルースは学校で生徒たちに法律を教えていても
実際に法廷で弁護したことがない、っていう。
なりたくてなれなかった弁護士の初仕事がこの「男女差別撤廃裁判」って。
でも男性側の差別を撤廃する案件っていう目の付け所は賢いですよね。
男性社会の法廷でも受け入れてもらいやすそう。
ということで「憲法に違反している先例を作っていこうぜ」という目論見なんですが、
でまあ、ルースの結果的には素晴らしい口頭弁論で勝っちゃうんですが
なににつけ「弁論」て大事だなと思いました。
相手をどう説得するか。
もう冒頭から圧迫面接みたいな、パワハラ一歩手前みたいな判事の質問攻め。
「女性が家庭を守ってきた何千年と変わらない事実が証明しているじゃないか」
公民権運動を擁護している味方と思っていた判事ですら、
「あなたは何がやりたいのか」と。
最初ルースはタジタジしてしまうんですが、反論の4分間で素晴らしい弁論をします。
「100年前なら、私はこの法廷には立てなかったでしょう」
「2年前、5年前、10年前とその先例を繰り返して変わらない今がある。
でも今、社会が変わっていく中で、時代遅れにならないうちに、この裁判が新しい先例になるべきです」
かっこいい~!
気づいた人も多いかもですが、
判事たちは最初は「ギンズバーグ夫人」と呼んでいたんですよ。
でもこのルースの反論で「ギンズバーグ教授」て呼び方を変えてましたよね!
で、プラスでこの映画で押さえておきたいポイントを2つ。
夫マーティンが超最先端。
ルースがここまで頑張れた背景には本人の優秀さと能力と熱意はもちろんなんですが
いろんな「運」もあったと思うんですね。
もちろん「女性というだけでもたらされる不遇」というのがあまりに多いし、
だからこそルースは立ち上がったわけですが、
その中で突出して「いい運」なのが、夫マーティンとの結婚生活ではないかと思う次第です。
このマーティンが妻の才能の一番の理解者で同じ夢を持つ一番の仲間なんですね。
つまり男女差別の意識が1950年時点でマーティンにはすでに全然なくて
お料理もルースより上手だから担当してて、育児もそらもう普通にやってて!
だから、そういう人もいるんだなーと。
実在ルースは連邦最高裁判事まで上り詰めた
最後のクレジットでご本人が出てきます。
ルースはこの裁判をきっかけに、性差別の法律を多数変えてきたそう。
そして女性で二人目の連邦最高裁判事になったそうです。
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
- -
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
監督はミミ・レダー。
「ディープ・インパクト 」の監督さんなんですが、wiki見たら「ER緊急救命室」の監督もしてたんですね~。
で、主演のルースを演じるフェリシティ・ジョーンズは「博士と彼女のセオリー」出てましたね!
tsubatarou.hatenablog.com
エディ・レッドメインとの共演が多いからか、顔もうっすら似ている気がします。。
夫マーティン役のアーミー・ハマーは、「ホテル・ムンバイ」にも出てます。
tsubatarou.hatenablog.com