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子育てと正社員の両立にぎりぎりな40代の母(映画・読書・日々のこと)

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ナイチンゲール_白人によるオーストラリア支配を圧倒的に描く

 

 

Huluです( ´∀`)

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ナイチンゲール (字幕版)

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  • アイスリング・フランシオシ
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2019 オーストラリア

ちょっぴり端々と結末のネタバレあり。

 

イギリスによるオーストラリアのかつての侵略ですよね。

かなりストレートに描いています。

いつも思うんですが、自国の暗黒な歴史をきちんと見つめる作り手がいるって素晴らしい事だなぁと。

 

ザクッとあらすじをいうと、およそ200年前のオーストラリア。クレアは軽犯罪でアイルランドからオーストラリアに流刑になったんですが、刑期を終えても軍隊将校ホーキンスに気に入られ愛人みたいなことをさせられながら、オーストラリアで夫と赤ちゃんの娘と暮らしていました。

でこのホーキンスがクレアとの愛人問題を上司に嗜められ、出世を阻まれたことの腹いせに、部下2人とクレアをレイプして、夫と娘を殺しちゃいます。そしてホーキンスは、出世の望みを叶えるためにローンセストンという場所にいるお偉いさんに直訴するため、旅立ちます。

クレアはそんなホーキンスを追いかけてリベンジするっていう話です。

 

この物語は、クレアの復讐劇ではあるんですが、影の主役ともいうべき存在がいまして、

それがクレアの道案内人であり、バディともなる、先住民アボリジニの若者ビリーです。

ていうか、監督のジェニファー・ケントは、クレアよりビリーを描きたかったんでないか?と思うくらい、ビリーが冴えた魅力あるキャラです。

 

ビリーを通してアボリジニがいかなる非道な迫害を受けていたかを丁寧に描いています。

奴隷として?なのか、普通に気に入らないと頭を撃ち抜かれるし、サクッと殺されて、それが公道で平然と行われる、そういう扱いです。

 

ビリーとクレアの会話としては、さらにいわゆる植民地支配で行われる同化教育、白人として教育され自分たちの文化や習慣を無理やり捨てさせられてきたと語られる場面もあります。

 

クレアだってアイルランドがイギリスから迫害されていたとしても同じ白人としては、アボリジニを差別する側の立場で、ビリーを名前では呼ばず、「ボーイ」って呼んでます。ボーイっていわゆる男性使用人への通称かしらね。

 

それが、だんだんとビリーが信頼できる人柄で、アボリジニの話なんかも聞いてるうちに、名前で呼ぶようになって、とても信頼し合う仲間になるんですが、そもそもビリーの名前も、アボリジニ的には「ビリー」じゃない気がするし、クレアも仲間だけど他の白人の前ではビリーを使用人…というか奴隷に見せかけないといけない(しかも目の前で鎖に繋がれたアボリジニたちが次々とワル面のにやけた白人に銃殺され)…とかのエピソードは、アボリジニにとってはもはやこの時代のオーストラリアはひたすら生き地獄でしかなく。なかなかにやりきれません。

確かにクレアはクレアで過酷な人生ではあるし、復讐したいのも分かるし、最後、復讐が一応成功?したのも良かった…とも思って観たんですが。

 

アボリジニの存在は知ってはいたし、イギリスの侵略の末、差別を受けてきたことも知ってるんですが、こういう作品を見ると、自分が何にも知らない、悲しいくらいに分かってないことがよく分かります。

✳︎今のオーストラリアはさてどうなんでしょうね。。2008年に政府が公式に謝罪はしたようですが(めちゃ最近やがな)…現実社会。

 

 

ストーリーとしては、なんとなく展開が読めるし、クレアの夫エイダンがあまりに無謀だったり、クレアが復讐旅の途中、いいところまできて復讐をためらったりして、そのせいで逆にホーキンスたちに窮地に追い込まれたり、ホーキンスに従順な少年エディの泣き叫んで謝る場面に「それやったらぜったいどSホーキンスにうざがられて最悪なんかされるて!」という読み通りな展開など、ちょっぴりイラッとした部分もあるものの、きちんとイギリスのオーストラリア支配を描ききる覚悟と強い熱量には、有無を言わさないものがあります。

 

それだけにベネツィア国際映画賞での受賞はじめ、たくさんの賞を受賞しています。分かる。

 

ナイチンゲールというのはジャケットにもある鳥の名称です。鳴き声が美しいらしく、ビリーが鳥を自分の保護神と思っていたり、クレアが歌が上手いことに絡めてるっぽいです。

オーストラリアには様々な野鳥がいそう。