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子育てと正社員の両立にぎりぎりな40代の母(映画・読書・日々のこと)

子育てしながら正社員として仕事しています。40代の母のブログです。コピーライター、読書、映画、プライムビデオ。育児の悩みや仕事の悩み、広告、マーケティング、家族のこと、ふと思うことを綴ります。

アイアムまきもと_阿倍サダオさんは「チャーミング」ができる役者やねえ

 

2022 アイアムまきもと

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娘とイオンに観に行きました。

娘いわく、「大人向けやん…」

確かに…客席は結構埋まっていたけど、ご年配ばっかりでしたな…(´∀`=)

 

とはいえとはいえ!

めっちゃ良かったー!泣けた泣けたー

 

阿倍サダオさん演じる牧本は、山形県庄内市役所の福祉課に務める「おみおくり係」。

身寄りや縁者がいない孤独死したご遺体を、親族を探して自腹で葬儀して、無縁墓地に納めるまでが仕事です。

 

このまきもと氏が、まあチャーミングなキャラなんです。

それがもうこの映画の何よりの魅力。

 

着る服も食べるものも独自のルールのもとに生活し、時間通りの決まった行動を好み、人の話の飲み込みがすこぶる悪い。

 

遺族探しに夢中になり、ご遺体を警察署の遺体安置所になかなかお迎えに行かず置きっぱなしだから、刑事の松下洸平さんが「早く遺体を取りに来なさいよ!」と怒鳴り散らすんですが、気にしない。

でんでんさん演じる葬儀屋さんが「許してくださいよ、まきもとさんも謝ってんだから」と投げるんですが、「いやこの人一言も謝ってないですよ!」と返す松下さんに「じゃあ謝ります。すみません」と言ってしまい、「じゃあって何!」とますます松下さんに怒鳴られるシーン、なんとなく成り行きが読めるながらもめっちゃ好き。

 

この辺りの会話のラリーをもっと続けてほしい、ずっと観てたいです。

 

今思ったけど、「裸の大将」もそうだったな…

 

阿倍サダオさんの本領はこーゆーところにあるんだなとしみじみ思います。

 

そんなこんなのまきもと氏なのですが、市長が変わり、ゆるゆるだった福祉課で、まきもとさんの特性を活かした「おみおくり係」が廃止されることになってしまいます。

 

最後のご遺体の遺族を探すべくあらゆる小さな情報をかき集めて(まきもと氏は写真は虫メガネで見るタイプ)、亡き人の過去を遡っていきます。

 

そうしたらですね。

なんにもないように見えるご遺体にも、その人生にはいろんな出来事があって、いろんな人とのつながりがあって、実は家族があったり、友がいたり、さまざまな想いがあったことが分かってくるんですね。

 

人に歴史あり!

最後のシーンは泣けるし、宇崎竜童さんの歌う「オーバーザレインボー」がしみじみ沁みました。

 

だけど良かっただけに残念な部分も少し書きます。

一つは、多分観た人7割がた思うと思いますが、ラストに向けてまきもと氏に起きる展開。いやいいんですよ。そうくるかなって読めたし。でも、、やっぱりそこはお決まりパターンに依存せず新しい展開にチャレンジして欲しかったなあ(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)

あと方言が使われなかったこと。

方言が強いと意味が伝わりにくいという配慮もあるんかもですが、

舞台が山形県庄内エリアで、それは全面に出てるんですよね。ちなみにまきもと氏が勤める市役所が庄内市役所って最初の方に出てきたと記憶してるんですが、酒田出身の友達に聞いたら、庄内は市というのはなくて日本海エリア全般を庄内と呼ぶそうな。

 

で、庄内は割と映画の舞台になってて、有名なんでいうと「おくりびと」。

今回のまきもと氏が「おみおくり係」だから絶対「おくりびと」の影響なのか、オマージュなのか、パロディなのか?なんかしらの成分は入っているんでしょうかね。

 

あと言うまでもないことよ。と思われるとは思うものの、タイトルがもう「アイアムサム」のオマージュというか、パクりというか、まあオマージュという解釈にしとくとして、引っかけてはいますよね。

 

いや、アイアムレジェンドの方?

 

ではない気はします。

 

 

話がそれましたが、ともあれ庄内の美しい景色をバンバン出しているわけなので、やはりリアリティーある画面作りにこだわりが欲しかったなあと。つまり方言が良かったなぁ。

せめてイントネーション寄せるだけでも、さ。

 

ちなみに原作はウベルトパゾリーニ監督の「still life」。

ちょっと観てみたくなりました。