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子育てと正社員の両立にぎりぎりな40代の母(映画・読書・日々のこと)

子育てしながら正社員として仕事しています。40代の母のブログです。コピーライター、読書、映画、プライムビデオ。育児の悩みや仕事の悩み、広告、マーケティング、家族のこと、ふと思うことを綴ります。

女性の描き方で観る朝ドラ

朝ドラをだいたい毎日観ています。

 

最近ニュースアプリを見てたら、

朝ドラの「ちむどんどん」が共感できない

みたいな記事が割とたくさん出てきまして、

私と感想が違うので、

ほう…と。

ぐぐったら、割と全般に否定的でした。

私は面白いから、

なんでかね?

と思って考えてみました。

 

否定的記事の主な見解としては

  • 主人公暢子による、和彦と愛というカップルの略奪愛が納得いかない
  • ニーニーがダメすぎる

だから面白くない、ドラマとしての質が悪いって意見が目についたんですが(*´Д`*)

…私はここが逆に好きな部分なんで、不思議ですねえ。

(朝ドラのドラマの質としては、ご都合主義なのは今に始まったことでなし)

 

確かに和彦くんは、暢子と愛ちゃんのどっちが好きやねん?

という風な読めない感じなのですが、まあでもです。人間どっちか決めれないこともたくさんあるでしょうよ。

そもそも私には、逆に和彦は愛ちゃんとは、同僚でそばにいたから、なんとはなしに付き合ってるっぽい感じになったけど友達に近いよね…みたいに見えたけど、2人の馴れ初めを見逃したのかしら。

 

ニーニーがダメ人間な件も、「実際いるよねー、でも憎めないみたいな人って」としか思わないので、妹たちにニーニーが怒られる場面が、ギャグというか愉快だなぁという感想だけで観てました。

基本悪い奴じゃないけど、アホやなぁ。はみ出てるなあって人が朝ドラにはあんまり出てこないから、逆に嬉しいくらいで。

ただ、ニーニーのバカっぷりに対して、「男はつらいよ」の寅さんみたいに会話劇にコメディの分量をもう少し割増しても良いかもしれません。

 

でも何より私は「ちむどんどん」の女性の描き方が、「カムカムエブリバディ」より断然好きです。

 

大きな違いは

理不尽な扱いに抗うか否か、です。

 

カムカムは、主人公の安子が夫の実家から受ける「嫁」の扱いが嫌で、それよりも安子がそれに対して、抗わないのが嫌というか、大人しすぎるのが残念で、戦前のあの家父長的な感じが否定されずにいるのが観てて歯痒かったです。

 

それに対して戦後が舞台のちむどんどんは、女性が皆んな、古い価値観にはっきり抵抗するから、清々しい気持ちで観れます。

 

たとえば、姉の良子は、夫の実家から嫁は仕事するなと言われて、子供連れて実家に帰って教職に復帰する道を選びます。

 

新聞記者の愛は和彦との結婚を辞めてパリに行きます。これね、身を引いたって受け取るんじゃなくて、やりたい事選んだって見たら、愛はかなりカッコいいんですよ。

最初の頃は見かけがお嬢さん風だし、言動もいわゆるおっさん受けする気立ての良さがあって、保守的な女性なんかなーって観てたんですが、ちゃんと社会をみているジャーナリストの姿勢がステキで、あ、カムカムとは違うなぁと。

 

あと、フォンターナのオーナーなんか、たくましく自立しまくる女性の先駆けだし、主人公暢子も、料理人として生きる道にブレは全然ないです。

 

略奪愛っていうか、そもそも和彦と愛って、勝手にフィアンセみたいなことになってるだけに思えたし、百歩譲って暢子の略奪だとして、それが何か?と。

なんでドラマの恋愛に「一途さ」「正しさ」を求めないかんの?

不倫や略奪にあれこれ言いたくなるんだったら、日本人はやっぱり慎ましい女性、3歩下がった女性が好きなんだなあって。

 

 

今書いていて思ったけど、朝ドラを観る人は、いや、記事を書いている人は、別に女性の自立だとか、社会的位置づけの変遷だとか、恋愛や繋がり方の自由だとか、そこに興味があるわけでは全然なくて、

朝ドラに対して身の丈に近しい個人的人生に共感を求めているだけなのかもしれませんね。

 

私は、朝ドラはだいたい女性が主人公で視聴者層としても女性を想定しているだろうだけに、テーマの一つには、歴史的な女性の人生の変遷ってのがあると踏んでみるから、てかそこを重要な部分としてみているから、

カムカムより、既存の概念や前時代的な社会通念にはっきりとNO!という姿勢が伝わる、ちむどんどんの方がストレスなく観れます。

 

それに、ちゅらさんよりも沖縄の文化への深掘りもしっかりしているし、沖縄の音楽も料理もたくさん出てきて、楽しいです。

 

だけど結局、朝ドラ観る人は、いや記事書いてる人は、沖縄にはあんまり興味ないのかなぁ。

 

「おかえりモネ」が人間の複雑な面を扱ったテーマ性で、お!と思ってたんですが、

カムカムが戦前舞台の昔っぽい朝ドラ王道路線、故に誰にも共感出来なかったんで、

そこに来て、ちむどんどんが沖縄の文化や歴史✖️戦後の女性の生き方の変遷をしっかり描いているな、と感心しているくらいです(・ω・)

 

ただ言ってもちむどんどんの舞台は60〜80年代だからか、仕事取るなら結婚や家庭は犠牲になってしまうのか…とも思います。だから、まだまだ、やっと女性の生き方や社会の価値観がいろいろ変わってきた始まりの時期として描かれている気はします。

あえて、エポックメイキングの初期を描いているんだなと受け止めています。

 

あれかな、朝ドラの視聴者想定が女性と言っても40代以上の高齢者が主体で、20代や30代女性じゃないのかな。

だとしたらある程度、保守的な方が受けるのかもしれないですが、なんだか進歩しねーなーと感じるのは否めないところ。

 

日本のドラマはもうそろそろ優等生を返上して(てゆーか年々優等生が濃くなってるような)、社会の負の部分や現実の抑圧への闘いをもっとリアルにしっかり描いていかないとアメリカドラマにはやっぱり勝てないと思います。

(私の中で)