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子育てと正社員の両立にぎりぎりな40代の母(映画・読書・日々のこと)

子育てしながら正社員として仕事しています。40代の母のブログです。コピーライター、読書、映画、プライムビデオ。育児の悩みや仕事の悩み、広告、マーケティング、家族のこと、ふと思うことを綴ります。

「護られなかった者たちへ」日本はもう先進国じゃないの?

 

 

映画化で知り、初めて読んだ中山七里さん。

これ以外も映像化されてますね。

 

すごく良かったです。

ミステリ小説でありながら、生活保護制度や申請を採択したり、ケースワーカーとして調査する福祉保健事務所の実情や仕組みがよく分かります。

 

ズバッと社会の歪みを伝えています。

緻密な取材や知見が行き届いているからか、描写が丁寧です。

 

中山七里さんの、社会への憤りや思いも、ひりひり伝わります。

 

餓死したけいばあちゃんのお腹からティッシュペーパーが大量に出てきたとか、やるせないです。

 

自分のおばあちゃんを思い出しました。

それに、母や自分の行き先も。

 

この世に生きるとはなんなのか。

 

社会の仕組みが全然良くならないのは何故なのか。

 

窓口で生活保護の申請書をたたき返されたら、私はどうすればいいんだろう?

 

もちろん、黙っておめおめと帰りはしないけど(今ですら)、法律を盾に出されたら、押しても引いても受理されないならば。

うちの母なんかはほんと、けいおばあちゃん的に、「お役人は絶対。逆らわない。ありがたがる」考えのタイプだから、余計心配。

 

今の時代、子育てするなかで、特に保育所入所の時の経験を通して、木で鼻を括ったような役所とやりあうには正直、本音で言ってしまえば、分からないことは何度も聞いて、こいつやっかいなヤツくらいにならないとあかん、と思ってきました。論理的な面でも。

 

でもどうしようもない壁があるならば、その壁はなんなのかを見極めないといけません。

 

不正受給が何故生まれるのか、何故本当に必要な人のもとには届かないのか。

 

貧しい者と富む者。なぜ犯罪が起きるのか。

 

利根のセリフが心に刺さります。

 

要は国や行政が予算をつけてない。だから、切り捨てなきゃならない人がいる。

予算がないのは何ゆえか。国がそれ以上は必要ないと判断したから。

 

日本は決して社会保障や福祉が豊かな国じゃないという事実。

戦後復興のなかである程度は育ってきた、「言っても先進国だしー」みたいなイメージというか「住みやすい国」の自負がわずかにあったですが、今やかなり落ちぶれちゃったんですね。

グラフでみるこれからの医療_6章_1_日本の社会保障の水準を比較してみましょう

こんな古いデータでも、社会保障給付費がアメリカ、フランス、イギリスと比べてダントツに低い!

北欧と比べたらいわずもがな。

なんで?

 

2020年度の年金制度指数は39ヵ国中、33位やて…

「年金制度が優れている国」ランキング! 1位は「デンマーク」 日本は?【2020年度版】(ねとらぼ) - Yahoo!ニュース

 

少し昔、日本が外資企業買収したりしてブイブイ言ってたのがもう恥ずかしい感じ。

 

日本は今、どこに向かってるんだろう…

 

 

そして現場に苦悩が生まれる。

 

なんか森友事件も思いだしました。

全然違うけど、現場の人間の苦悩という意味では。

 

 

 

また、ミステリとしても、趣向が凝らされているというか、良かったです。あれ思い出しました。

 

フランスのミステリ作家ピエールルメートルの「その女アレックス」。

全く関係のないような、ふたつの視点で物語が進み、物語だけでなく人間像を逆転させていく、というやつ。

 

読み始めと時空感飛ぶ、どんでん返し。

 

 

ということで、中山七里さん良かったです。

他も読みたくなりまさした。

 

こういうのが小説や映画を超えて、ルポやドキュメントで、さらに自分の身近な問題として認識が広まればいいなぁと思います。

 

映画はプライム無料になったら観たいと思います(´∀`*)