思った以上になんだか、感動がありました。
麹町中学は、定期テストなし、担任なし、宿題なし、行事は自分たちで考えて作る。
こんな中学校が実際あって、こんな校長先生もいるんですね。
うちの子に通わせたい、私自身が通いたい
と思いました。
面白かったのは、この工藤勇一さんという校長先生の考えがなかなかにアバンギャルドなこと。
ただ生徒や保護者からの受けを狙って、宿題やんない!とか、定期テスト辞め!とかではもちろんなく、
それが生徒の成長や学力向上をサポートするのに、全然役立ってない現実があって、じゃあ何があかんのか、どうすればいいか?
考えてやったのが、国が決めたことをせずに、学校独自の新しいルールを作ること。
だから工藤先生は、教育委員会のいうことを聞きません。会社でいうと、社長のいうこと聞かない部長です(´∀`)
しかも、国が定めた教育指導要領、いわゆる一般的な日本の学校の学習カリキュラムなわけですが、これも否定!
読みながらすげ〜!と笑っちゃいました。
なんで否定かというと、現場の先生たちから自由な発想を奪っているよと。
カタチばかり教科書なぞらして、実社会や実生活との結びつきがないよと。
そんなもんだから、さまざまな壁にぶつかっていきます。で、それを乗り越えるのに、「対話」していくんですね。
もともと工藤勇一先生のいる中学校は、都内でも進学校への進学率が高い麹町中学という有名な公立中学で、モデル校でもあり、ある程度、新しいことに取り組みやすい、教育委員会に物申しやすいという背景はあったと思います。
でもだからといって、なんでも好きにしていい訳ではもちろんなく、じゃあどこが実現のポイントかというと、
- 目的が明確
- 計画が明確
- 対話で理解者を作る
- 準備からすぐやる
かなと思います。
この本で、工藤先生は、教育の場でも生きる上でも大事なモノのとらえ方、考え方をたくさん書いているんですが、例えば
当たり前を疑う、自分の頭で考える、手段を目的化しない…
これは自分の日常でもよく感じることで、改めて、やっぱり大事よね!と感じたんですが、工藤先生の実行力の高さはなんなんだろな…と。
恵まれているとか、頭がいいとか、人柄とかもあるんでしょうが私はやっぱり
工藤先生も書いているんですが、
行動するかしないか
それに尽きるように思います。
あと、周りからの評価や気持ちに鈍いのも、いいですねえ(´∀`*)友達から嫌われて無視されても気づかないエピソードはなかなか羨ましいといいますか。
でも少し、違和感もあって、ひとつはリーダー教育。それって名門校的発想?というか、人を動かしたりする能力は、人を理解しようとする意思であり、私はリーダーだけでなく、どんな人にも必要だと思いました。てか、すぐリーダー育てたがる風潮も、よく分からない世の中あるある…
リーダーって何さ?みんなに大事なことじゃないの?
もうひとつは、いじめ対策の部分。工藤先生は人間関係のいざこざを自分たちで解決できる力を持つのがいちばん大事としていて、たしかにそうです。
ただいじめ問題の根が深いところは、子供たち個人間の人間関係で終わらない面があることで、例えば経済格差や人種、国籍、性差…大人社会の差別だったり格差の影響を多分に受ける、つまり子供同士で解決しえないいろんな社会の背景があるってことです。
だから単純に起きたことを見守っているだけ、ルール化したり、話し合うとかでは解決しない、先生たちや周りの大人に、その背景を理解する知識や広い視野や価値観や、何より時間が必要であり。
それらを用意してからが、自己解決力作りのスタートなんじゃないかと私は思います。
まあでももし麹町中学がスタンダート化したら、いろんな価値観も変わっていくし、我が子ももっと成長できたかもしれないなとは確実に思います。
モデルに留まらず広げて欲しいです。
麹町中学の雑誌取材風修学旅行と模擬裁判は楽しそうで、もう一度中学生に戻ってやってみたいです(๑˃̵ᴗ˂̵)