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子育てと正社員の両立にぎりぎりな40代の母(映画・読書・日々のこと)

子育てしながら正社員として仕事しています。40代の母のブログです。コピーライター、読書、映画、プライムビデオ。育児の悩みや仕事の悩み、広告、マーケティング、家族のこと、ふと思うことを綴ります。

ハリウッドで珍しい「負け組」物語

 

記者たち 衝撃と畏怖の真実(字幕版)

記者たち 衝撃と畏怖の真実(字幕版)

  • 発売日: 2019/10/02
  • メディア: Prime Video
 

ノンフィクション。

うんでも「現実でもハリウッドでもどこでも最後は勝つ」アメリカの、「勝たなかった記者たちの物語(映画)」すごい珍しい気がします。

 

 

アメリカって不思議で、大量破壊兵器イラクが持ってると政府が嘘ついたり、

かたやマイナーな新聞社が事実を突き詰め、政府の嘘を暴いたりする

 

でも時は2000年代初頭。

2001年のニューヨークの同時多発テロ911の直後から始まってしまったアメリカの愛国主義ムードは、「欲しい敵」が見つかるや、いけいけどんどんになってしまうのです。

 

▼病んだ友達

2001年当時、私の幼なじみがアメリカ、ニューヨークでグリーンカードを取得すべく仕事しながら暮らしていました。911のテロには直接は巻き込まれず、無事でした。

 

でも幼なじみは、心を弱らせて、日本に帰国しました。

 

テロに弱ったんじゃありません。この映画が描くような、アメリカで盛り上がっていく愛国主義ムードと戦争に突き進むさまに、です。

 

それがとても怖かったと。

あの場所にいられなかったと。

夢に見たグリーンカードを投げうって。

友人も私も戦争を知らない世代ですが、でも戦争の悲惨さをおばあちゃんに聞いてる世代です。

  

あともう一つには、やっぱり「自由の国アメリカ」でも、純アメリカ人じゃないという疎外感もあったんだと思います。特にアメリカ人として愛国心を求められる時間の中では。

未だに、友達はあの時のアメリカで何があったか話もしないし、私も聞けないままです。

 

だから、なんとなくですが、この映画で、マイナーメディアのナイトリッダーが事実を追いかけ続ける難しさも、分かるような気がします。

 

▼「メディアの読み方」を決めておく

しかし戦争って儲かるんですね。不思議。

 

で、とにかくですね。世界中のニュースが手に入るようになって、世界が広がったという側面を持ちつつ、今みたいな情報過多時代のずっと前から、メディアをうのみにしちゃいけない、ってのは事実としてあります。

今なんかもう何にも信じられないくらいに、うわーって情報が溢れかえっているわけで

、もうにっちもサッチモ状態です。

 

 

 

 

そんな中で私がネットメディアの記事を見るときに大事にしているのは 

  • 一次ソースか否か確認する
  • 一次ソースも話半分くらいに思う
  • ネットはほんと悪文やいい加減記事も多いことを理解しておく
  • 記事が誰に何を伝えたいものかをよく考える
  • テーゼにはいつもアンチテーゼを

 ニューヨークタイムスのようなプロである大手メディアでも間違うんですからね。メディアのリテラシーは子育ての上でもすっごく大事だと感じています。

 

この映画見てたら、「大統領の陰謀」を思い出したんですが

大統領の陰謀 (字幕版)

大統領の陰謀 (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video

 

そしたら作中にもセリフで出てきて、「あの映画では、実際も記者のスクープで大統領は罪を認めて辞任した。でもこのイラク戦争は俺たちが真実を暴いても止めれない」

って。

悲しい。。あとからニューヨークタイムス、謝罪したんですね。戦争終わってから。

 

▼ナイトリッダーはどうしたらよかったのか

この時のイラク戦争は、もう過去のことなんで今更どうしようもないのですが、紙からネットへの過渡期を過ぎて、「ネット100」時代を踏まえて、あくなきジャーナリズムで事実を追いかけるナイト・リッダーが、今だったらどうしたら社会にインパクトを与えられたのかを、ゆる~~く独断で検証してみたいと思います。

 

①どちらも載せる

アメリカの新聞では「あるある」だよって、どこかで知ったのですが、主張Aと主張Bを等しく対称的に掲載するんです。

ただし、この「フセインイラク核兵器作ってんぞウソ」はナイトリッダー的には「主張」ではなくひたすら「事実報道」です。なので、この場合は「政府がオフィシャルにいう事実」「調べた事実」を公平に対照的に掲載します。

 

要は、きちんと裏どりありきで「売れる記事」と「事実の記事」を両方意図的に載せるってことです。

こうすることで、より盛り上がる⇒読者が増えるのではないかと。

それ以前に、「売れる記事」だけを載せていくという考え自体がジャーナリズムに反しているんですが、かといってきちっとジャーナリズムを持った新聞社が絶対につぶれないわけじゃない。経済社会は悲しくても否が応でもそういうシステムなので、じゃあどうするか。

 

売れる記事も、売れないけど大事な記事もどっちも載せる。これしかないわけです。

 

 

②新聞社内のアンケートを掲載する

大手の新聞社の現場の記者さんたちも、本当に「政府の御用聞き」になりたかったのかなあ~と思います。

トップダウンの組織で、何を載せる、どういう姿勢で報道するかは、要は経営者やマネージャーの判断ですよね。株主と。

ニューヨークタイムズ内にも自社の記事を「いや~おかしいって」と思っていた現場記者は相当数いたのではないかと思います。てかむしろ現場の人ほど。

 

映画の中でも、匿名でリークしてくれる政府高官が何人も登場します。政府内にも「いや~おかしいって」という人が少なからずいて、勇気と憤りをもって、匿名で内部の極秘情報を伝えようとしてくれるます。

 

そこで、ナイトリッダーは一般市民のアンケートを取ると同時に、新聞記者対象のアンケートを取り、掲載するんです。

 

それでも、もしもですよ。もし記者アンケートで「政府ウソついてない」派が多くなっちゃったら、「政府ウソついてる」派で新しいメディアを立ち上げる。

「新聞社を設立」と考えたら大変そうだけど、今だったらネットの即席チームで、すぐできそうじゃないですか。SNSでつながれるし。

政治もそうだけど、新聞社も、所属の枠を超えて「こうしたほうがいいよね」ということを実践していく柔軟な思考と行動が可能なのが、今=ネット社会でもあるのかなと思います。株主とか考えなくていいし。株主も、売れるのが好きな株主じゃなく、ちゃんとした株主に株主になってもらう。ちゃんとした株主ってなんだ(∩´∀`)∩

「もっと先を見る株主」かな~

 

インフルエンサーを取り込む

いま、ネットではインフルエンサーの行動が最優先化されているといっても過言じゃないです。インフルエンサーにも何種類かあると思うんですね。

Aフォロー数は多いけど、浅めつながりのフォロワーが多いインフルエンサー

Bフォロー数はそこまでだけど、つながりの強いフォロワーが多いインフルエンサー

 

ナイトリッダーはこのBの方を狙います。(大そうに)

Aは、話題性重視の人です。拡散力は高いけど離反率も高い。Bのインフルエンサーは、権威性が高い人、つまり「信頼」を勝ち得ている人です。

 

このBのインフルエンサーはスピーディな効果は生み出せないですが、信頼をベースに強いつながりがあるので、影響力の確度と深度が高いはず。

ある程度の時間をかければじわってくるのではと。

 

そもそも「新聞記者」はその職業だけで、ある程度の信頼は勝ち得ています。でもナイトリッダーは知名度が低い。お金回りもよくなさそう(悪口じゃないです)。日本の「東京新聞」「テレ東」みたいな感じ?

 

だったら、Bを巻き込んだ方がいいのは、個人の考え的には自明の理です。

ただ、本当のナイトリッダー(?)もそれはやっていて、映画でも、ジョセフ・L・ギャロウェイという、数々の賞とったり、ベストセラー書いている著名な元ベトナム戦争記者&国防長官コンサルタント(サントリーボスCMのトミーリージョーンズが演じてる)に支援してもらうのですが、今一歩、ふんばれなかった。。

 

en.wikipedia.org

 

今だったらもう少し、草の根的な「拡散」に力入れられるのかなと思います。

 

まとめ

この映画自体があんまり知られていないのはどういうわけか?とも思うんです。私が知らないだけ?

トミーもだし、主役もウッディハレルソンで、ミラジョボビッチが奥さん役で出てるんですよ。監督は監督で、ロブライナーという「スタンドバイミー」「ミザリー」とかの人で。

でもなんか私、ぜんぜん、知りませんでした。

タイトルが地味ってのもあるんかなと。あと同じ2019年公開の松坂桃李くん&望月衣塑子さんの『新聞記者』に持ってかれたのかな。。。森達也さんの『i −新聞記者ドキュメント−』もあったし。

 

こないだ観た「スポットライト」は同じ時代の話。

アメリカのジャーナリズムは、消えてなくなってはいない!ということですよね(*´ω`)

 

tsubatarou.hatenablog.com

 

 

あと、この映画のテーマにもなっている「数字」大事ですよね。

でも、数字だって、切り取り方とつなげ方で、いかようにも伝えられる。

この映画には最初にも最後にも数字が出てくるんですが、

戦死者数と同時にアメリカがイラク戦争でいくら儲かったのかも知りたいです。

たとえ戦死者が一人だとしても、「こんなに儲かったんだ」で許されるとは思いませんが。

地球規模で考えるとイラクの国民何人を犠牲にって話ですし。

 

正直、自分の行動や消費活動が「戦争」に結びつくなんざ、つゆほども思わず私は生きています。戦争は過去のことで、本当に今の日本は平和で良かったです。これからも自分と戦争がどこかで結びつくなんて、いやだし、考えたくもないです。

 

でもだからこそ、耳をふさぎたくなるような怖い怖い事実にも「じゃあなんで、そうなったのか?」「この場合はどうなるのか?」と平和の中で思考を停止させないことが大事だと思います。

楽だからって、望むほうだからって「欲しい情報」だけを持ってちゃいけない。

いちばんよくないのは、思考停止。諦めた時が試合終了だって安西先生言ったよね。

 

 

SLAM DUNK 新装再編版 1 (愛蔵版コミックス)

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  • 作者:井上 雄彦
  • 発売日: 2018/06/01
  • メディア: コミック
 

 

なんて、思いました。