NHKの銭天堂 という番組をたまたま、何気なく子供と見てました。
アニメです。
https://www6.nhk.or.jp/anime/program/detail.html?i=zenitendo
クッキングツリー ていう話で、以下ホームページから引用
↓
幼(おさな)い兄弟の翔平(しょうへい)と北斗(ほくと)は、いつもお腹(なか)をすかせている。母親がごはんを作ってくれないからだ。そんな2人の家に銭天堂(ぜにてんどう)の紅子(べにこ)があらわれ、『クッキングツリー』という盆栽(ぼんさい)のような木を置(お)いていく。その木の実はいろいろな料理(りょうり)の味がして、お腹がいっぱいになる2人。ところが、母親に『クッキングツリー』を取り上げられて……。
なわけなんですが。
最後、「ご飯作らないお母さん、悪いお母さんだった。良いお母さんになるね。」
とお母さんがクッキングツリーに悪い心を食べられて、立派な朝ごはん用意して、めでたしめでたしってオチなんです。
いや、かなり違和感あり。
ありすぎて、一緒に見ていた息子に「お母さんは飯炊きばばあちゃうでー!」ってつい熱く語ってしまいました。
これ誰向けの番組なんか。子供向けだとしても、親向けだとしても、偏見とかなり前時代的な認識が感じられます。
大人はまだしも、子供には絶対見せないで欲しいです。
ここがおかしい銭天堂
①お母さんは飯炊きばばあじゃない
ストーリー設定の部分。お母さんがご飯を作ってくれないから子供たち腹減るってのは、外出自粛のコロナ禍だから?
作らなくても売ってるし、スーパーの売れ残りお惣菜やウーバーイーツ頼んじゃだめなん?
(ウーバーイーツは高くて手が出ないけど、まあ他力を頼るってこと)
助けにきた紅子ばあさんだって作ってなくて、ただ魔法でハンバーグやらグラタンやらエビフライやら出しただけじゃん。お母さん、もっとできませんて。
魔法が、今後の子供たち2人の空腹のなんの解決にもなっていません。
私が紅子ならば、子供たちに料理教えます。買い物行ってモノの買い方、値段から教えて、ご飯の炊き方と、火を使わず料理作ったり、少ない材料やあり合わせの材料で料理する、生きる手段を教えます。
子供たちが生き抜くことが物語の主題ならば。
②固定観念が生む理想は残酷
そんでね、ハンバーグはまだしも、グラタンやエビフライってそんな簡単ではないんです。
まあまあなハードル高めのスキルと時間いるんすよ。一般的にはどっちかゆーと特別な記念日の料理ですよ。
まあ確かに美味しいわけですが、魔法で子供に食べさせて夢みさせて、なんか意味あんの?
それをお母さんに日常的に作れってか?
はい、ごめんなさい。私は無理です。
コープの冷食に依存しないと、家事と仕事の両立はできません。
血反吐吐きながら頑張れば、できるかもしれません。でも「毎日エビフライ」に血反吐吐くお母さんより、スーパーの惣菜や冷食使ったりして、楽しく生きているお母さんでいたいです。
子供にとっても。
プロデューサーさん、エビの値段も知ってんのかな…あのレベルのご飯毎日出したら、まあまあなエンゲル係数なりますよ。カネモですよ。
これ見てるお子さんたちの中には、シングル家庭で超絶忙しいお母さん、お父さんの家庭の子もいるかもしれない。
子供食堂に頼っている家庭もあるかもしれない。
そんな現実があって、その現実を生きる人たちにこれ見せて何を思わせたいのか。
子供に間違った夢を刷り込まないで欲しいです。
③お母さんが「悪い」から、子供たちは空腹なのか
そのオチはないでしょう。。
もしこのオチがまかり通るなら、世の中悲しすぎる。
お母さんに背負わせすぎです。
この家のお父さんは?
お母さんの仕事は?
収入は?
家賃は?
生活保護は?
国や自治体の支援は?
周りの理解者は?
それら全部、何ひとつ触れず、全部お母さんがただ悪いという結論にして、「悪いお母さん」に全部おっかぶせて、
それ見て、私は何を思えばいいんでしょう。
ほんで、めでたしめでたしって何が解決したんですか??
お母さんの本心は?仕事は?ワンオペは?
なんも解決してないです。
こんなんイヤです。
バカみたい。
悲しすぎます。
救いがないです。
萎え萎えです。
唯一、差し入れ持って行って助けようとするご近所の女子は真っ当だとは思います。救いは紅子じゃなく、そっちでしょ。そこには可能性感じます。
久しぶりにメディアにムカつきました。しかも子供向けアニメ笑
世の中にはいろんな考え方や価値観があります。
自分の家庭や育ってきた環境や知る機会もそれぞれです。
たまたま見てびっくりしたけど、この番組に批判が殺到しますように。
もうなんか、1週間くらいはブルーでウツウツ過ごしそう…(;ω;)