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鴻上尚史さんが、悩み相談をやっています。
AERAのオンラインですね。書籍化もされています。
数ヶ月前にスマニューで見つけて、面白くて感動したので、以来たまに訪れては、ふむふむ、また今回もいいこと言うなぁ!と、心とスキルの養分にしています。
子供の頃から20代くらいまで、3年B組金八先生という中学生ドラマが不定期にシリーズでやっていました。私は金八先生が好きで、だいたい毎回見ていたのですが、何がそんなに惹かれるのか?考えたことがありました。
金八先生は、子供を取り巻くいじめや家庭問題や性や、時代時代の社会問題を反映した、生徒のややこしい、時に衝撃的な出来事に巻き込まれ、それに金八先生が力の限りまっすぐ向き合っていくドラマなんですが、琴線に触れるいいセリフが多いんです。
このややこしい問題に、そう来るか!ってことめちゃくちゃ言うんですよ。
私にはその解は思いつかなかったなあ、いやなるほど、そうだな。と。
つまり、小山内美恵子さんの脚本、すごいなと。
「北の国から」が間合いでドラマを進める名作だとしたら、金八先生は完全にセリフ回しの名作だなぁ、なんて。
で、鴻上尚史さんですね。前置き長い!
作品や舞台を全く知らないんですが、似たような匂いがします。
優れた文章は、やっぱ何より「分かりやすい」。
誰にでも伝わるように、小学生でも理解できる平易な単語と文法で成り立っています。
どちらかというと美しいというよりも、馴染みやすいんですよね。
村上春樹さんの小説もこっち側。実は。
シンプルに「AはBである」を紡いで成り立たせていく、って意外に難しくて、ついつい一文にあれこれ詰め込みがち。
例が私ですね、はい😫
鴻上尚史さんの悩み相談には、そういう馴染みやすい、平たい文章にこそ宿る言葉の力を感じます。
すごい点をもう少し分析してみると
鴻上尚史さんは、読者の理解を促すための例え話、あるある話のネタ選びも分かりやすさ重視。老若男女に伝わるネタ、「鶴の恩返し」みたいなの選んでます。ドフトエフスキーが、相対性理論でいうと、とか言わない。
毎回、だいたい国民的に馴染みある例え話や比喩が入っています。
あと実はいちばん大事かなと思うのが、「誰に」伝えているのかの部分。これはストーリーが人同士のコミュニケーションで成立するドラマの金八先生はもちろんだけど、鴻上尚史さんの記事も、悩み相談者に答えるという体裁です。読み手のペルソナががっちり固まっています。
✳︎ペルソナ=キャライメージみたいなもの。
どこのどんな誰に、何を言いたいのか。
ですね。
この読者想定って本当に大事なんですが、ついつい見逃しがちでもあり。
誰に何を伝えるか、って、読む方には分からないことがあったりもするけど、いい文章の発信者は実は「あんたに言いたいんやで」が明確にあるっちゅー良き見本です。
そーゆー宛先が明確な発信の「熱量」が、ホロリや、ひざ打ちをくれるのだな。
そんでこの私のゆるゆるな文章にはそのどれもが備わってないことに気づいて愕然となった爽やかな秋の3連休🤪