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子育てと正社員の仕事の両立にぎりぎりな40代の母ブログ

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官僚の闇と会社の闇はまあまあ似てる「私は真実が知りたい   夫が遺書で告発「森友」改ざんはなぜ?」

 

 

「私は真実が知りたい  

夫が遺書で告発「森友」改ざんはなぜ?」

 

赤木雅子 相澤冬樹 2020 文藝春秋

 

 

最近、「忖度」という語句がすでに過去の思い出みたいになってきた感がありませんか?

私だけですか?

 

安倍晋三さんが首相辞任して、菅さんが首相になったらしいですが、それだけで、前のは終わったよん、新しい時代だよん、変わっていくよん、みたいなメディアのノリに、いやー新しいか?なんも終わってなくないか?と冷めた目で見てしまう…という人も結構多いのではないでしょうか。

 

コロナしかり、経済しかり、生活しかり。

組織の忖度しかり。

 

その変わってなさは、森友学園の公文書改ざん事件における犠牲者、赤木俊夫さんの死の、妻の雅子さんが求める真相解明が何も解決していない事実にも、色濃く映し出されている気がします。

 

この本は、あれがおかしいとか、誰が間違ってるとか、権力の歪みとか、官僚組織の怖さとか、そんなことを主題にしてるんじゃなくて、いやもちろんそれもあるけれども、理不尽に命を奪われたに等しい夫の、その死の意味と改ざんの真相解明、そして夫の人としての名誉を回復させるための1人のちっぽけな主婦の戦いの記録です。

 

もうね、赤木雅子さんが人間味あふれていて、ひたむきで、泣けます。本当に。

夫の俊夫さんが遺書代わりに残した真相を書いた手記。この手記をもとにした取材内容を、相澤冬樹記者が文春で記事にするまで、またその後のことが、雅子さんと相澤記者との往復書簡的なメールやりとりを中心にして、書かれています。

ノンフィクションです。

 

マスコミ〜?文春〜?と雅子さんは最初、全然、相澤氏を信じないんですよ。ただ、森友事件を追いかけてNHKを追い出された相澤氏に、抵抗虚しく改ざんを命じられた夫の俊夫さんに通じるものを感じた。

 

相澤氏は相澤氏で、大スクープの予感に浮き足だってその態度がバレバレで雅子さんに不信感抱かせちゃうんですね。

でも雅子さんは、とにかく信頼できる、話を聞いてくれる人を求めてるわけです。

夫の上司や職場がだんだんと信じられなくなり、弁護士ともコミュニケーションが上手くいかず、もう何を信じて、どうすれば夫の思いに報いる事ができるか、わからなくなってしまった。

 

家族を失うこと自体辛いのに、同じ職場の同僚までも、味方でいてくれるはずの人が、どんどんいなくなっていく日々は相当な苦痛だったとお察しします。雅子さんの奥の奥の辛さまでは分からないけれど、それまで仲良かった人が組織の忖度を前に離れていくことはある、というのは私にも分かります。

 

に対して。相澤氏も、あくまで「マスコミ」(想像力のない、悪い方の意味での)なんですよね。雅子さんは相澤氏の不用意な言葉や巻き込まれた家族への配慮のない言葉に、不信感を隠さずに辛辣な言葉を返します。それをこの本は正直に書いています。あくまで雅子さん視点に徹底。

 

結果、相澤氏は手記公開、スクープつかむまで1年4ヵ月の歳月を費やします。

うん。

相澤氏は結局、手記を記事にしないでという雅子さんとの約束を守ります。待つことも記者の仕事だと。文春も待つんです。

 

文春待つのか!

 

と変な驚きがありました。

そして満を持してスクープとして出された文春の記事は53万部の売り上げをもたらします。

 

この本は、マスコミがどのようにしてスクープを作っていくかというか、記者の仕事の記録としても面白いです。

 

相澤氏は、反省(?)して、雅子さんときちんと信頼関係を築いていくことを一番に大事にして、雅子さんの揺れ動く思いに寄り添っていきます。雅子さんが死を覚悟するほどの勇気と決意で乗り越えてきた数々、改ざん当事者たちへの率直な問いかけ、全部。

 

そう!それが本来の記者よね!ジャーナリストよね!ライターよね!

と読み手としてもだんだんと相澤氏に着せた汚名を返上…( ̄∀ ̄)

 

雅子さんや俊夫さんのあまりに過酷な苦境とは比べられない話ではあるけれど、私はこの数ヶ月に、自分のいる会社で起こったこと(説明なき一部休業や希望退職という名の選別不可解なリストラほか)を重ねて読んでしまいました。

 

組織って怖い、官僚って怖いと語る雅子さん。それでも夫に報いるために戦う雅子さん。

そんな雅子さんに信頼できる人たちが、応援してくれる人たちが、どんどんできていきます😭

 

今、息苦しくて窒息しそうな状況だけど、犯罪に加担させられた俊夫さんの辛さに比べたら私なんか、無責任だし、呑気もいいとこです。

 

でも組織のしんどさ、理不尽さ、やっぱり私も感じます。一人ひとりは「いい人」たちが作り上げる逆らえない空気、ひたかくす本音。

なんのために、だれのために、私はここにいるんだろうとぐるぐるする日々。

 

一所懸命に働くこと。

何故、それだけなのに、こんなにままならなくて苦しいんだろう。

 

雇用主は国民だと、自分の仕事に誇りを持って働いてきた俊夫さん。

今を生きる、今戦っている主婦、雅子さん。

2人とも紙面のなかの登場人物を超えた実在の人間です。

 

何よりユーモアを忘れない雅子さん。

私もユーモアを忘れずにいたいです。

 

 

追記

相澤氏は文春記事を5時間で書いたそうな。

そしてこの本も相澤氏が執筆しています。

読みやすいし、分かりやすいし、共感しやすい。

相当なやり手とみた( ̄∀ ̄)

なんかの記事で酔っぱらい騒動も見たけど、

今の時代になくてはならない、いい記者だとお見受けします。

ぜひぜひ、お酒やめてください〜