2018 新潮文庫
うちに小さなゲルニカの磁石があります。我が家の冷蔵庫に張られています。
誰にもらったのか忘れましたが、どこかのお土産だったと思います。
ピカソの「ゲルニカ」が戦争を描いていることは、ゲルニカの磁石を誰かにもらったときに話題になり知りました。
でも、ゲルニカがピカソの故郷であるスペインの、バスク地方の地名であること、第二次世界大戦で激しい空襲を受けたことは、この本で初めて知りました。スペインの内紛も。
1937年、パリにいたパブロ・ピカソがゲルニカの空襲を新聞で知ったとき、どれほどの衝撃を受けたか、わたしには分かりません。
原田マハさんは、その時ピカソが新聞を2回(3回?)破いた、と描いています。
正直に言えば、冷蔵庫の磁石の「ゲルニカ」を見て、私はそこに描かれているものが何なのか、分かりませんでした。ピカソが反戦を訴えていたことも知ってはいたし、平和の象徴として鳩を描いたことも子供の時に知った記憶はあるものの、磁石のゲルニカを見て、マハさんのこの本で描かれるような衝撃が生まれてこなかったです。
今回、文庫本の表紙をマジマジとみましたが、やっぱり分かりません。
マハさんごめんなさい。
ピカソごめんなさい。
これはもう…本物を見るしかないんじゃないか。
本物は今どこにあるのか?
調べたらマドリードのソフィア王妃芸術センターだそうな…レイナ・ソフィア美術センターって書いてるのもある。同じ場所のことかしら?
でも死ぬまでに見に行ける可能性、限りなく低し。。
が、しかし!
この本の物語の中心にある、「ゲルニカのタペストリー」。911のアメリカ主導の報復的イラク攻撃の際に、国連の長官インタビューで暗幕がかけられてしまうといういわくつきの、例のタペストリー。
このタペストリーが、なんと。国連だけでなく、3つ存在していて、そのひとつが群馬県の県立近代美術館にあるとな!!日本やるなあ(*≧∀≦*)
http://mmag.pref.gunma.jp/collection/kaigai/picasso_02.htm
これなら、死ぬまでに見るチャンスはなきにしもあらず!
いつか必ず見てやろうと、生きる目標がひとつできました。
ちなみに、原田マハさんの「楽園のカンヴァス」を読んで、ピカソの画集を買ったんです。
愛人ドラ・マールの肖像画もありました。
美人なんだろな…
とググッてみたら美人でした。
そしてピカソったら、ドラ・マール前も以降も妻や愛人やらを取っ替え引っ替えぽい…("前"の正妻オルガとピカソの子供産んだ愛人マリー・テレーズのことは本書にも出てきます)
オヤジ…まあ巨匠ですからね。ピカソ自身、ハンサムだし。
でも、オヤジ……(´・_・`)
この本で少し気になったのが、同じ内容を繰り返し書かれていることがまあまあ多くて。
うーん、なんで何回も書くのかな?
すごく言いたいことだから?
ドラ時代と現代版ヨーコ時代とが交互に出てくるから、忘れた人のため?
なので、また同じ話が出てきた〜って飛ばし読み気味に。たとえば、国連の話とかドラの嫉妬する描写とか他にも割としょっちゅう。シチュエーション違うだけで内容同じやん…と。せっかちな現代っ子で申し訳ないですが。
あと、「ゲルニカ」をMoMAに呼ぶために活躍したのはヨーコより、MoMA理事長のルースなのでは?結局、勝負どころが金と権力にも思えてしまう…なんて引っかかりもありつつ…
までもピカソにまつわるいろんなことや、美術館運営、キュレーターのお仕事のことなどが知れて、実にためになりました(´ー`)